先生妄想日記

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2004年02月01日(日)    君たちの帰る場所

思えば、去年のこの時期。
実は色々な問題が私の教室で勃発していて、卒業とか3年生とか、それどころじゃなかったのでした。
感慨深くなれるだけ、幸せなのかもしれない。
でも、寮生達がいなくなっただけであんなに悲しかったのに、これからどんどん3年生達は学校に来なくなるのだよ。
嫌だなぁ。ぜったい泣いてしまう。
あーでも、淋しさや悲しさだけじゃないから、どれだけでも泣けるんかな。
だって彼らには洋々たる未来が待ち受けてんだからの!

去年の事を思い出しているうちに、ある生徒の事を思い出しました。
彼は、非常に体格が良くて、更に顔もとても可愛くて、勉強は全然出来なくて、感覚が良くて。
真面目な子が多いうちの学校では、それはそれは目立つ存在でした。
色々問題があって、あと一度問題をおこしたら即退学だったみたいよ。

でも無事卒業できる事になって、卒業間際に、用事を済ませる為に、私の教室に来てくれたのでした。

それで、別れ際に。

「先生、この仕事、続けろよ」
「うん。続けるよ。ありがとう」

今、この教室が抱えてる問題を知っていて、そう言ってくれてるのかと思いました。

「俺この学校に入学して全然楽しくなかったし、ほんと普通の高校なら許されるような事でもすぐ退学になって、周りのやつらとかも全然地味でだっせーし先生にも目つけられるし最悪だって思ってて、だからもう2度とこの学校には来ないと思うけど、でも先生はずっとこの教室にいるじゃん、俺にこれから何かあって先生に会いたいって思ったら先生はこの教室にいて、いつでも俺はここに来れるって思ったりするのが、なんていうか」

句読点はどこじゃ!
理解するのに時間がかかったじゃねーのよ。
でも、理解すると同時に泣きそうになりました。
鼻の奥が、ほんと、ツーンってしたよ。

きっと君は大学に入ったら、ここの事は忘れてしまうと思うよ。
それだけ良い感覚を持っているんだから、ここではタイミングが悪くて出来にくかった友達も、沢山出来ると思う。
家族とも、今まではうまくいってなかったかもしれないけど、離れてみれば、少しは理解し合えると思うよ。
新しい恋人もすぐ出来るよ。
君はすぐに、家族や恋人の所に帰るようになると思う。

でも、もしいつか、色々と悩む事があって、帰る場所がなくなったら、どうぞいつでも帰って来て下さい。
忘れずに待ってます。





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