先生妄想日記 |
2004年02月19日(木) 今ここで、ドラゴンヘッドが 私が現役高校生だった頃、ドラゴンヘッドの原作漫画が流行ってました。 教室の後ろ、ロッカーの上に、ジャンプ・マガジン・ヤンマガ・稲中・モンスターに並んで、ドラゴンヘッドが置いてあったのを覚えています。 前に、私がほとんど高校に行ってなかった事を書いたと思うのですが。 ある日、ある男の子と一緒に学校をサボっていたのです。 その男の子は、同じ学校で、同じ将来を描いていた、いわば「同志」でした。 私の人生で、多分最初で最後の「男友達」です。 同じ学校の、アホな集団の溜り場になっていたコンビニ裏で、その日サボっていたのは2人だけでした。 本当に良い天気で、確か夏休み直前だったと思う。 「良い天気だの〜」 「うん。なぁ」 「うん」 「なぁ、今ここで、ドラゴンヘッドがおこったらどうする?」 「今?」 「うん、今。そんで、俺とアンタだけ生き残るの」 「そうか、それは良いねぇ」 「良いよな。俺とアンタだけ、ひえーちょーすげー」 「うん」 「な?」 「うん、すげー」 そんな会話は、もう今は出来ません。 できるのかもしれないけど、私は出来ないです。 「男友達」も、出来ません。 あの頃にしておいて良かったと思う。 もう連絡をとってない「男友達」は、もう覚えてないかもしれないけど、私は時々思い出します。 今ここで、ドラゴンヘッドがおこったらどうする? ほんと、ねぇ。どうしよう。でもあの時は、ドラゴンヘッドがおこれば良いと思いました。 「男友達」と2人で生き残るのが、ものすごく凄い事に思えて、ものすごくドキドキしました。 そういう時が皆あって、今、私の事を「先生」と呼んでてくれる子たちも、そう思う瞬間があるのかもしれない。 今日、珍しく、私の住んでいる地方があまりに良い天気だったので、ふと思い出したのでした。 おめでとう。幸せになってね。 ドラゴンヘッドがおこらないよう、祈っててあげるでよ。 |