しあわせのかけら。
小さな子どもの頃、拾ったビー玉やもみじの葉っぱ、キャンディーの包み紙やグリコのおまけ・・・いろんなものをとっておきたくて“秘密の箱”に入れてたっけ。そんな日記、かな?

2008年10月21日(火)  迷ってしまった。汗(2)

でも、
私の降りる駅に近づいても、
あの人は身動きひとつしない。
ダメだ。降りないな。

私は電車を降りて
念のためゆっくり階段を上ってみたけど、
あの人が追い越して行くことはなかった。

ってことは、3つめかな。
もっと先かな。
少なくともこの駅じゃないことだけはわかった。
まあ、収穫と言えなくもないか。

そんなことを考えながら改札を出たとたん、
一体自分がどっちに向いて歩けばいいのか
全然わからないことに気がついた。

しまった。
あの人に気をとられて何も考えてなかったけど、
いつもと違う改札から出ちゃったんだ。
何番出口から出たら近いんだったっけ?
もう半年も来ていなかったから
すっかり忘れてしまっている。
とりあえず、地上に出れば何とかなるか。

が。地上に出ると
そこは東京砂漠・・・じゃなくて
コンクリートジャングル・・・ほどでもなくて。

だけど、ビルの谷間の大きな通りには
車がびゅんびゅん走っていて
歩道を歩く人たちもみんな仕事モードで早足だ。
そんな中、
私だけがひとり歩道の端っこでフリーズしている。

コンビニとかお弁当屋さんとか
居酒屋さんとか牛丼屋さんとか
薬局とか内科とかコンタクトレンズ屋さんとか
どこにでもある目印にならないものばかり。

うわー。信じられない。
迷っちゃったよ・・・。


そうだ。太陽!太陽はどっち!?
って、原始人みたいだな。

太陽は見つかったけど、
一旦真っ白になってしまった頭では
太陽の方向と
自分の立っている場所と
目的地の場所とが
全然整理できなくなっていた。

通りは確か東西に走っているはず・・・
今、朝だから太陽は南東方向にあるはず・・・
あ〜ん!でもわかんないよ〜!

すみませんっ。
私は道を尋ねようとして
知らないおじさんに声をかけていた。
で、でも待てよ!
おじさんは▲▼レディースクリニックの場所なんて
知るわけがないよ!
知ってたとしても「レディースクリニック」だなんて
お互いに何となく恥ずかしいじゃないか!
ダメだ聞けない!

ものすごい速さで頭を回転させた私は
「あの。(地元で知らない人はいない)△▽寺はどこでしょうか?」
と尋ねていた。
「そこの信号を渡って・・・」
「あ!道の向こう側だったんですね。わかりました。
 ありがとうございましたっ!」

そっか。大通りの反対側にいたんだ私。
冷静になると、
確かに通りと太陽の位置関係からして
そうだということがわかった。
(△▽寺の北側、大通り沿いにクリニックがある。)

信号を待つ間に
通りの向こうを見渡して、
クリニックの入っているビルを探す。
確か塔屋にビル名が書いてあったはず。

あったあった〜!
ああ、良かった・・・。

横断歩道を渡っていると、
いつもクリニックの窓から見えていた
大通りの向かい側にあるレトロなビルが見えた。
そっか、今度迷ったら
あのレトロなビルを探せばいいかも。

と言うことで、
無事たどり着けたのでした。

今日は仕事は休んだので、
帰りにぶらぶら雑貨屋さんを見て
銀行や文房具屋さんに寄って
私の好きなパン屋さんで
お昼と子どものおやつ用のパンを買って帰って来た。

そのパン屋さんはチェーン店で
あの人の会社の近くにもある。
そっちのお店はちょっといい感じ。
大きなガラス窓からちらっと中を見ただけで
まだ一度も入ったことはないんだけど・・・
都心のビルの谷間にひっそりと
そこだけ“『かもめ食堂』のお隣さん”みたいな雰囲気で
多分朝早くから職人さんがパンを焼いている。
暑い日も寒い日もきっといつも変わらずに。

あの人は、くるみパンとか食べるんだろうか・・・。
なんか、似合ってるんだけどな。くるみパン。笑


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