何と無く、否、明確な理由を持って。――字はまた小さくなったよ。
ゼミの先輩が卒論で「子どもをもつこと」というタイトルで書いていた。内容は虐待に始まり、家庭内暴力から経済的問題にまで及んでいたのだけれど。……嗚呼、こういうのって、つまり、虐待とか家庭内暴力とかだけれど、そういうのって、 シアワセに育った子 が書くんだなぁ、と思った。内容があまりにも一般化し過ぎていることと、視点が妙に大人であることと。此処でいう大人というのは、子どもを知らない、或いは忘れている人間だ。もし、 虐待された子 や 家庭内暴力を振るった子 がこういう趣旨の論文を書こうとすると、きっと全く異なるものになるだろう。上から抑え付けることしか知らない大人。子どもが自ら成長することを認めない、大人。 私は子供が好きではない。寧ろ嫌いだ。だって、私は親が嫌いだから。だから親の子供であった私自身が嫌い。だから私は早く子供じゃなくならなきゃいけなかった。早く、自立しなきゃ。早く、一人立ちしなきゃ。でも親は其れを認めない、認めようとしない。私はいつまで経っても子供のまま。だからせめて世間的には子供じゃなくならなきゃいけなかった。大きくなったわね、いつの間にか大人になったわね。そう言われるようにならなきゃ。だって、私は子供が嫌いだから。子供である自分がきらいだから。早く大人になって、そして絶対親になんかなるものか。だって、私は、 子供 が嫌いだから。
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