陽溜まり。を、見つけた。暫くは――春が来るまでは、精一杯日光を楽しんでやろう。 可哀想な娘を見つけた。でも、私には助けてあげられない。(助けてあげる、なんてほど傲慢でもない。)助言すら、私には出来ないだろう。何もしてあげられないのなら、きっと声を掛けることすら辞めた方が良い。だから、私は何も言わずに、立ち去ろう、此処から。 土を抉って生えてくる野の花のように。幹を裂いて顔を出す新芽のように。此の腕を切れば、何か出て来るかも知れないじゃあないか。赤いモノ以外にも。