長い長い螺旋階段を何時までも何処までも上り続ける
一瞬の眩暈が光を拡散させて、現実を拡散させて、其れから?

私は、ただ綴るだけ。
音符の無い五線譜は、之から奏でられるかも知れない旋律か、薄れた記憶の律動か。








2006年03月25日(土) 笑うな。

 三年使った携帯電話をそろそろ機種変更しようかな、と思ってショップに行ったら、40ヶ月ですね、って笑われた。笑うな。そりゃあ、写メも出来ない超アンティーク携帯電話だけどさ。笑うな。私は其れなりに気に入って使っていたんだから。笑うな。バッテリーさえイカレなければあと一年は使うつもりだったんだから。笑うな。
 カタログを見比べつつ、近年の携帯電話は兎角高いなあと思う。現代人は携帯病ね、きっと。私の周囲には携帯電話を持っていない人が結構居るし(大学生の友人一名、大学の教授一名(自分自身で「いつまで携帯電話を持たずに居られるか」コミュニケーションの実験中らしい)、後は両親か)、私自身然程使わないので、必要無いかなぁとも思うのだけれども、学生という身分上如何しても連絡網として必要不可欠なのも事実で、緊急連絡はPCじゃ受け取れないし――等々考えてしまうと矢張り必要なので、壊れる前に機種変更は必須と思われる。色々悩んだ結果、あれにしよう、simple is the best だ、au の neon(shiro)。外面だけ白くて中身は黒、外も中も黒より余程洒落っ気があるじゃあないか。私にピッタリだ。明日にでも買いに行こう。


 隔週で土曜日は華道と茶道。華道、は和洋両道で。着付けも習いたいが、其処までの余裕は時間にもお金にも無い。


 ディスプレイに向かって作業をしていると、眩暈がする。頻繁に。
 飛行機で大陸間を移動すると、身体だけが先に 彼方 に着いてしまって、心は 此方 に残されてしまうのだそうだ。船旅は、そういうことがない。心も身体も一緒に 向こう側 へ渡ることが出来る。――らしい。確かに、覚えがある。飛行機は、何だか無理矢理 連れて行かれた 気がする。船旅なら太平洋を渡るのに一ヶ月くらいだろうか、欧州までは三ヶ月はかかる。つまり、其れくらいかけて移動しないと人間の精神は状況に追い着いていけない、ということか。案外、繊細だ。
 携帯電話は何時でも何処でも誰にでも捕まってしまって、常に監視されていて、嫌いだ。PCは其の点電源さえ入れなければ、誰にも捕まらない、誰にも見られていない。縦令電源を入れても、私を「私」と知ることの無い人ばかりがこの ディスプレイ の向こう側には居る。だから、私は幾等でも演じることが出来る。それでも。私は眩暈を覚える。ディスプレイ越しのコミュニケーションは、こんなにも遠いということを知っているのに。










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