京都日帰り、遂行完了。
之以上ないほどに慌しく、本当にこんなことで然もかなりの金額をかけての日帰りで、何か得るべきものがあったのかと問われると私は頸を傾げてしまうのだけれども、そうではなくて、無理矢理にでも私は何かを得なければならなかったというだけのことだ。どんなに拙いことでも、掘り出して、私は此の血と肉とにしなければならない。之が、私に課せられた義務であり、運命。ずっとそうしてきた、そうしてこれからもそうしていくのだ。
何処か一箇所に執着しているわけではない。何処に行っても、きっと私はやっていける。でも、何処に居たって、其処は私の居場所ではないのだ。生まれ育った此の北国も、自分の部屋でさえも、私の安住の地ではない。安住の地なんて、何処にも無い。わかっている。 私は決して安住の地を求めているわけではないのだと思う。理解していても受け容れられないことがある一方、理解できないのに受け容れられることもあるのだ。其れを、認識しているだけ。
昼下がりに黒糖羊羹と珈琲を用意する。纏わりつく甘味と其れを排除しようとする苦味が、妙だ。 窓の外には、雨の匂いが充満している。
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