長い長い螺旋階段を何時までも何処までも上り続ける
一瞬の眩暈が光を拡散させて、現実を拡散させて、其れから?

私は、ただ綴るだけ。
音符の無い五線譜は、之から奏でられるかも知れない旋律か、薄れた記憶の律動か。








2006年09月16日(土) Geburtstag



 其れは君、愚か者の証拠だよ。



 今日は年に一度の、多分、特別な日で、特別でありながら(特別であるからこそ、か)、毎年毎年あまり良い想い出は無い。何時の頃からか――特別は、特別ではなくなってゆく。
 幾つかの小さな包み。開けると、ひとつにはパルファムの小瓶、ホワイトリリィの清かな香りが広がって。ひとつには銀のペンダント、愛の象徴と共に、薄桃色の小花があしらわれて。ひとつには小さなビーズのリング、赤いローズが添えられて。

 朝から何やら微妙な忙しさが続いた一日で、夜まで其の微妙な忙しさは続いていて、矢っ張りこういうときは心境も微妙なのだ、何だか落ち着かない。左足首の痛みも相俟って、苛々しさえする。




 「生まれてから四半世紀経ちました。」

 此の台詞を言える日は、まだもう少し遠い。










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