昼間見た夢の続きに居るような、微睡みにも似た幻惑の、中に、佇んで。
昨日、必死に思い出そうとして叶わなかったこと。 ――先週の金曜日の記憶が無い。 金曜日だから、大学へ行く為に家を出たのは13時の筈。そうでなければ時間に間に合わない。然し、私は5分ほど送れて家を出たと記憶している――結果的に地下鉄には何時もより一本遅い便に乗り、バスにはぎりぎり間に合った。そうして、大学には14時過ぎに着いた筈。 其処から先だ。 授業は14時40分から。私は14時半に入れば良い、其れまでは入れない。だから何処かで何かをして時間を潰した筈だ。 空白の30分間。私は、何処で何をしていたのだろう。 普段なら図書館へ行って時間を潰すことが少なくない。だが其の記憶は無い。では他に私がどのように時間を潰すだろうか。人に会った記憶も無い。遣らなければならなかったことをこなしたような記憶も無い。
空白。
私の微睡みは、ずっと続いている。
|