たまの日々

2002年06月11日(火) ずっと、きっと

朝のまだ透き通った空気の中を、
駅に向かって走る。
高い塀の向こうの老木に光る青々とした葉や、
黄色い帽子をかぶった通学途中の小学生のざわめき、
川面に映る葉桜。

近頃、
生きている時間が短い。

少しはやめの時間の普通電車に乗って、
黙々と本を読む。
一時間程で乗り換えの駅に着く。
エスカレータは使わない。
たくさんの階段ですいすいと人々を抜いてゆく。

ホームの端に立つ。
本の続きを読む。
地下鉄がごうごうと風を掻き乱して、
私の前に滑り込んでくる。
ねじ込まれるように乗り込む。

そして吐き出される。
降り注ぐ蛍光灯の白い光。
階段を昇る定期券を通す改札を抜ける。
長い階段がまっすぐ上に伸びている。
足が重くなる。
会社が近いから。

更衣室で着替える。
似合わない黄緑色の事務服。

エレベーターが口を空けている。
目の前が真空になる。

往きと帰りと、
週末だけは真っ直ぐいろんなことが見られる。

時間を無駄に消耗している。
自分に嘘をついて耐えるふりをして、
実はラクをしてる、怠けてる。

ずっとこんな生活を続ける事はできない。
私にはできない。

よかった、気付けて。

悩んでも、戸惑っても、
きっと歩き出す。






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