真昼の公園を横切って家に向かう。 川沿いに続く細くてちいさい、 ジャングルジムとすべり台しかないような公園。 初夏の陽差しは力強く、 真っ直ぐ平等に刺し込んでくる。 うしろめたい気持ちも何もかも あからさまに照らし出されて隠せない気がする。 だからここにはだれもいない。 影の印象がいつもよりずっと強い。 木々の緑が匂うように濃い。 南国の、 葉の大きい、ためらいのないくっきりした赤やピンクの、 背の高い花がいきいきと太陽と会話をたのしんでいる。
免許証の書き換え、と言い訳をして会社をサボり、 平日の昼間を思い切り動き回った。 髪を切ったり銀行にいったり、 NTTへ連絡したり市役所に書類を出しにいったり。
そうやって動き回って気持ちよく疲れ果てた体に、 ゆっくりと眠気がのしかかる。 パソコンの前に座り込み、 いちにちをかみしめる。
こういう時間をたのしむのが、 いままではあたりまえだったのに、 今の私は、 ぎりぎりまで水を汲んだコップのように、 動かすこともできない。
ちいさく息をして、 そっと声を出し、 無理やり、浅い眠りにつく。 おびえるように生きる。 時間を、くぐりぬける。
こんなわだかまりも、 溶けてしまえばいい。 容赦のない夏の光に。
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