たまの日々

2002年06月19日(水) 溶けろ!

真昼の公園を横切って家に向かう。
川沿いに続く細くてちいさい、
ジャングルジムとすべり台しかないような公園。
初夏の陽差しは力強く、
真っ直ぐ平等に刺し込んでくる。
うしろめたい気持ちも何もかも
あからさまに照らし出されて隠せない気がする。
だからここにはだれもいない。
影の印象がいつもよりずっと強い。
木々の緑が匂うように濃い。
南国の、
葉の大きい、ためらいのないくっきりした赤やピンクの、
背の高い花がいきいきと太陽と会話をたのしんでいる。

免許証の書き換え、と言い訳をして会社をサボり、
平日の昼間を思い切り動き回った。
髪を切ったり銀行にいったり、
NTTへ連絡したり市役所に書類を出しにいったり。

そうやって動き回って気持ちよく疲れ果てた体に、
ゆっくりと眠気がのしかかる。
パソコンの前に座り込み、
いちにちをかみしめる。

こういう時間をたのしむのが、
いままではあたりまえだったのに、
今の私は、
ぎりぎりまで水を汲んだコップのように、
動かすこともできない。

ちいさく息をして、
そっと声を出し、
無理やり、浅い眠りにつく。
おびえるように生きる。
時間を、くぐりぬける。

こんなわだかまりも、
溶けてしまえばいい。
容赦のない夏の光に。






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