たまの日々

2002年11月07日(木) うちの猫

実家の大きい方の猫がすごく弱っています。

彼がうちにきたのは私が中学2年の5月でした。
本当にもらうはずだった子と、
実は違う子でした。
それでも、
うちにもらわれてきて、
とてもたのしくいっしょに暮らしました。
みかんと掃除機が大嫌いだったり、
海苔とお風呂のお湯が大好きだったり、
ヘンなクセの多い個性的な子でした。

そしてなにより、
いつも家族の真ん中にいてくれました。
家族全員がばらばらになったときも、
なんにもかわらず、
そこにいてくれました。
うちの家族を、
かすかにつないでいたのは彼でした。

私と妹が家を出なければならなくなって、
いままで会話のなかった両親の共通の話題は、
彼のことでした。
孤独な心と心を、
無理なくつむぎ合わせてくれました。
今、
うちに四人が集まれるのは、
彼のおかげかもしれません。

今は、
ストーブの前でうつらうつらするだけです。
毎日、病院で点滴を打ってもらってるようです。
呼吸もちいさくて、
こころなしか背中もひんやりしています。

辛い日々です。
静かに、
すこしでも多く同じ時間を過ごせるように、
心をそっと寄り添わせていくくらいしかできません。

辛い日々です。
それでも、
いままでのたのしかった日々を思えば、
どんな日がやってこようとも、
粛々と受け止めるしかありません。

うちの猫。
たいせつな、家族。


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