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2005年05月15日(日) ■ |
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Vol.572 センチメンタルの原因 |
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おはようございます。りょうちんです。
めずらしく電車で通勤をした日の帰り道。改札を抜けるとタイミング良く快速がやってきて、混み合う電車に俺は飛び乗った。仕事のあとの疲れたカラダをつり革に預けて、ぼんやりと流れていく外の景色を眺めていたその時。ふいに肩を叩かれ振り向くと、高校時代の友人Dくんがあの頃と同じ笑顔でそこに立っていた。 予期せぬ突然の再会に俺は動揺を隠せなかったが、それでもふたりは仕事の話や高校時代の懐かしい話で盛り上がった。やがてだんだんと話題は同級生の話になっていった。Dくんとは3年の時は別のクラスだったので、お互いに消息を知らない同級生の今をいろいろと教え合えたのだが。Yくんも、Tくんも、Sくんも、Uくんも。話に出てくる同級生すべてがすでにみんな結婚していて、俺は驚きを隠せなかった。Yくんなんて高校時代はあんなに寡黙で硬派でカッコ良かったのに、アメリカ人の奥さんをもらって今は3人のお子さんと海外で暮らしているなんて聞いて、俺はあまりにびっくりしてひっくり返ってしまいそうだった。そして何よりもショックだったのは、Dくん本人もすでに結婚していて、2人のお子さんのパパなんだということ。下の女の子は3歳、上の女の子は今年小学校に入学したんだそうだ。 友人が結婚したとか子どもが生まれたとか、33歳にもなればけしてめずらしくはない。気がつけば、俺も含めて結婚をしてない方が少数派になってしまった。今までにも何度も友人の結婚や出産の話を聞いて驚いてきたのだけれど。でもどうしてだろう、今回ばかりはそんな友人のおめでたい話を聞いて、祝福の気持ちは確かにあったのだが、その裏側で胸が久しぶりにキュンと切なくなってしまったのだ。 Dくんとは、高校卒業後も何度か会うことがあった。でも短い時間だったが、こうやってふたりだけでじっくり話すことは今までなかった。だからその分話したいこともたくさんあったし、知らなかったことも教え合えたんだけど。俺のセンチメンタルの原因は、もしかしたらあの頃密かに憧れていたDくんも、すっかり大人になってしまったということなのかもしれない。
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