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りょうちんのひとりごと
りょうちん
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2005年06月21日(火)
Vol.583 息子を想う気持ち

おはようございます。りょうちんです。

実家を離れて暮らしている俺だが、両親にしてみれば息子が帰ってくるのはやはりうれしいことらしい。俺が実家に帰った時も、父はそっけない素振りを通してはいるが、何時頃やってくるのかとか夕食は食べていくのかとか母に何度も聞いたりして、来る前からそわそわしているのが手に取るようにわかると言っていた。いちばんの親孝行とは、ちょくちょく帰って元気な顔を見せることなのかもしれない。
朝から天気も良く父と俺の休日が重なった今日、遠出をしようと俺は両親をドライブに誘った。先月の家族旅行がとても楽しかったせいか、俺の誘いに父も母も大いに賛成してくれた。梅雨晴れの強いひざしの中、俺らは県境の川辺に咲くあやめを見に行くことにした。紫色やクリーム色に咲くあやめの遊歩道を歩きながら、川面を過ぎていくさわやかな風を感じて夏が近いことを知る。こうやって穏やかに家族と一緒に時間を刻むことが、今の父と母にとって最高の幸せなのかもしれない。
帰りに道の駅で朝取りの新鮮な野菜とスーパーで食材を買いこんで、今夜の夕食は俺が作ることになった。母のために薄味に仕上げた肉じゃがと野菜サラダは思った以上に好評で、団欒にも花が咲く。できあがった家族旅行の写真を見て笑ったり、俺が小さかった頃の話で懐かしんだり。食事が終わっても話題は尽きることなく、気つけば夜もかなり更けるまで話し込んでしまった。そろそろ俺も、帰らなきゃ。
俺が席を立とうとすると、母は家にあるいろんなものを持って帰れと勧めてくる。「米はまだある?」とか「肉じゃがも持ってけば?」とか、そんなの毎回だ。息子を想う気持ちはよくわかるが、母の勧めるものを全部もらってもとてもじゃないが食べきれない。だから今日もタマネギとじゃがいもと父が今朝採ってきたわらびはお断りして、多めに作ってしまった肉じゃがと米と餅と桃の缶詰を遠慮なくいただいてきた。そして帰りの車の中で、俺は気がついた。あれ、これじゃ親孝行をしに帰ったつもりが、逆に俺がお世話になってるじゃん。こんなにいろいろくれなくても、俺はまたすぐに顔を見せに帰るのに。そう思いつつ、父と母に感謝をした。