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2005年08月29日(月) ■ |
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Vol.602 双子の姉妹 |
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おはようございます。りょうちんです。
俺の幼なじみに、JちゃんとMちゃんという双子の姉妹がいる。俺よりもたった数日彼女たちの方が早く生まれただけなのに、俺が4月の初め、彼女たちが3月の終わりが誕生日ということで、学年でいえば彼女たちの方がひとつ年上だった。 小学生の頃、良く遊ぶ友達の中に彼女たちも含まれていた。ドッヂボールや缶蹴りをして、俺もJちゃんやMちゃんも日が暮れるまで夢中で遊んでいた。さすがに双子だけあって、ふたりともとても良く似ていた。顔つきはもちろんのこと、髪型も背格好もそっくりで、ふたりがおそろいの服を着ている時もしょっちゅうだった。双子なんてそうそういるもんでもないから、JちゃんやMちゃんと呼ぶよりも「双子ちゃん」とひと括りに呼ばれる方がみんなにはピンと来たし、たまにしか遊ばなかったちょっと遠くの友達は、ふたりの見分けがなかなかつかなかったようだ。 でも当時、いつも一緒に遊んでいた俺は、ふたりを見分けることなんてたやすかった。Jちゃんに比べると、Mちゃんの方が少しだけ目が細いし、走り方にもちょっとだけクセがある。しかしそんな具体的な違いを例にあげなくても、子どもの俺は彼女たちの放つ雰囲気から、直感的にふたりを見分けることができたのだった。それは俺だけに言えることではなく、当時遊んでいた友達のほとんどがほぼ間違いなく見分けることができた気がする。 先日お盆で実家に帰った時、お墓参りに行って久しぶりにJちゃんとMちゃんに会った。ふいに俺の名前が呼ばれて振り返ると、そこにはちょうちんをぶら下げたJちゃんとMちゃんが、あの頃と同じようにふたり並んで笑顔で立っていた。コトバを交わしたのは、もう20年以上も昔だったかもしれない。それでも俺のことがすぐにわかったのは、俺はあの頃と全然変わっていないということなのだろうか。そして俺は、どっちがJちゃんでどっちがMちゃんだったのか最後まで見分けられなかったのだが、それは夕闇の中でぼんやりと揺れるちょうちんの灯りが弱かったからだということにしておこう。
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