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りょうちんのひとりごと
りょうちん
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2005年09月17日(土)
Vol.607 したたかに生きる彼女

おはようございます。りょうちんです。

「えー、わたしですか? 実は、付き合ってからもうすぐ1年になる彼氏がいるんですよ!」。ひょんなことから彼女の恋愛話になった。普段はそんな素振りを見せない彼女の口から、彼氏がいた事実を教えられてびっくりした俺。「へぇ、知らなかったよ。で、彼氏はいくつ? どんな人?」。俺の質問に、彼女は涼しい顔で答える。「同い年なんですけど、見た目は最悪。全然かっこよくないし。デブでキモいし。性格もあんまり…」。「でも、ルックスや性格を上回る魅力が彼には何かあるんでしょ?」。そしてこの会話のあと、俺は驚愕の事実を知ることになる。
「彼の魅力? 実は彼、すごくお金持ちなんですよ!」。そう言って彼女は急に目を輝かせた。なんでもその彼はすごく羽振りが良く、彼女のためにいろんなものを買ったりおごったりしてくれるんだそうだ。この前はブランドもののバッグを買ってくれたし、今度は彼のおごりでディズニーランドにも行くと言う。
「でもさぁ、ほら、一応お付き合いしてるんだから、ラブラブな雰囲気になったり彼からそういうオーラを感じたりとか、しないの?」。俺は男としての素朴な疑問を彼女にぶつけてみた。すると彼女は、「そのへんは上手くかわしますよ。手を握られそうになっても何気に拒んだり、チュウなんてもってのほかですよ!」とあっけらかんと答えてくれた。驚きを隠せない俺に、「これって、良くないですか?」と最後にちょっとだけ不安げな表情を見せた彼女が、せめてもの救いだった。
いや、良くないとは言わない。人の価値観なんてそれぞれだし、ルックスや性格よりもお金持ちだということを重視する人がいてもいいと思う。でも、彼女はまだ高校生なのだ。この先、人をココロから本当に好きになったら、彼女にももっと大切なものが見えてくるに違いない。彼女はまだそれを知らないだけだ。
そうやって、今はまだしたたかに生きる彼女ではあるが。もう10年もしたら、きっと彼女もそんなにお金持ちではないごく普通の人と、ごく普通に結婚していくんだろうな、と俺は思った。