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2005年09月20日(火) ■ |
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Vol.609 墓参りに行く |
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おはようございます。りょうちんです。
今日は彼岸の入り。実家の墓参りはお盆や彼岸のたびに行くように心がけているのだが、母方の田舎の墓参りにはもう何年も行ってないことがずっと気がかりだった俺。特別信仰深いわけじゃないけれど、両親を誘って久しぶりに母の生まれた田舎へと墓参りに行くことにした。 母の田舎と言っても、同じ市内にある。車で20分ほどの隣の市との境にある辺鄙な場所なのだが、こっちに来る用事があまりないため最近はずっと訪れることはなかった。稲刈りも終わった田んぼの中のカーブの多い農道を進むと、昔とまったく変わっていないのどかな集落がそこにはあった。T字路を曲がり緩い坂を上ると、畑の中に墓地が見えてくる。久しぶりに来た、祖父と祖母が眠っている場所。 夏の間ずっと放置しっぱなしだった墓地は、鋭いひざしを十分に浴びた雑草が見事に茂っていた。俺と父は持ってきた鎌を使って、片っ端からきれいに刈っていく。使い慣れない鎌ではちゃんときれいにならないところは、手で引っこ抜いた方が早い。学生時代は校庭の草むしりなんて大嫌いだったけど、なんだか今日は楽しかった。夏に取り残された遠くの蝉の声と秋の虫の声しか聞こえない中で、気がつけば夢中で草むしりをして汗をかいている俺がいた。 俺と父が草むしりをしている間、母は線香や仏花の準備をしていた。ひととおりきれいになったあと、花を飾りお供えをして線香に火をつける。手を合わせ、俺は今は亡き祖父と祖母に向かってココロの中でつぶやいた。「ずっと会いに来てあげられなくて、ごめんね…」。 どんな宗教も俺は信じない。でも時々こうやって亡くなった人を思い出し、偲ぶことは忘れないでいたい。それがお盆やお彼岸に墓参りをしたり、仏壇に手を合わせることがきっかけでもかまわないと思う。懐かしい風景の中で大好きだった祖父と祖母のことを思い出した俺は、なんだか少しだけ優しい気持ちになれた気がした。
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