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りょうちんのひとりごと
りょうちん
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2006年01月25日(水)
Vol.632 贅沢を楽しむ

おはようございます。りょうちんです。

今年の新年会は、みんなでフグを食べようと約束していた。北風が強く吹く中、待ち合わせの場所に集まる俺ら。久しぶりに会う友達は、みんな変わっていない。予約済みの店に移動すると、2階の座敷に案内された。まずは乾杯。冷たい木枯らしの世界から一気に暖かな部屋に通されて、口にしたアルコールが身にしみてくる。
今夜は奮発して、フグのコースだ。フグ刺、フグちり、フグ雑炊。次々とやってくるフグ料理に、お酒も進み話も弾む。それにしても、こんなふうに贅沢ができるようになったのは俺らが少し大人になったからなのかもしれない。誰かが言ったひとことに、俺は大きくうなずいた。確かに学生だった頃や社会人になったばかりの頃は、フグをつつきながら優雅にお酒を飲むなんて俺らには早過ぎたと思う。大学を卒業して少しだけ時が過ぎ、経済的にもココロのゆとりも少しだけ余裕が出てきて、今だからこそこんな贅沢を楽しむことができるようになったのかもしれない。
昔のように相変わらずバカみたいに笑っているみんなは、つらいことなんてまったく知らないように見えるけれど。俺の知らないところでそれなりにそれぞれ苦労も経験してきたし、明日になればまた日常へと戻り厳しい社会の中に帰っていく。今だけが特別なみんななのだ。楽しいばかりじゃない、つらい時もあるんだってことを誰もがみんな知っている。そういうことも全部わかった上で、人間的にも大きくなった証拠に、こんな贅沢が楽しめるようになったと言えるのだろう。
あれっ? 似たような話、軽井沢でそば懐石を食べた時も、江ノ島で生しらすを食べた時も話した気がする。お酒が回っているせいとはいえ、同じ話を毎回するなんて、やっぱりそれも俺らが歳を取ったからなのか。
気がつけば、電車の時間が迫っていた。それぞれの家では愛するダンナさんやかわいい子どもが待っていたり、俺だって翌日には仕事が待っている。あの頃のように、夜通し飲んで騒ぐこともできなくなった。駅でみんなに手を振った俺は再び冷たい北風の中を歩き始めたが、ココロはなんだかとても暖かい気持ちだった。