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2006年02月23日(木) ■ |
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Vol.639 ホドリを探して |
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おはようございます。りょうちんです。
ホドリとは何か、覚えている人はいるだろうか? 今まさにトリノでオリンピックが開かれているが、今から18年前に韓国のソウルでオリンピックが開催された時、そのマスコットキャラクターだったのがホドリである。虎がモチーフになっていてお世辞にもけしてかわいいとは言えないキャラクターだったためか、ロス五輪のイーグルサムやモスクワ五輪の小熊のミーシャに比べると認知度も低くどうしてもメジャーにはなれなかった気がする。 ソウル五輪の直前に父がソウルに旅行に行った際、まだ赤ん坊だったいちばん下の弟にホドリのぬいぐるみをおみやげに買ってきた。弟はそのぬいぐるみをとても気に入ったようで、いつも「ホドリ、ホドリ」と言って肌身離さず抱いていた。大きくなるにつれてさすがにずっと抱いていることはなくなったが、小学生の頃にはまだ部屋の隅に飾ってあって、弟の宝物だったようだ。しかし大切にしていたそのぬいぐるみも、実家が火災に見舞われた時に焼失してしまった。 それから。今度は社会人になった俺が、ソウルに旅行に行くことになった。今からもう7年も前のことだ。ソウルに行くにあたって、おみやげは何が欲しいか弟に聞いてみると、弟は「ホドリが欲しい!」と即答した。火事で焼いてしまったぬいぐるみは、やっぱり彼の中で思い出深いものだったのだ。できることならもう一度あのホドリのぬいぐるみを手にしたいという弟の気持ちは、痛いほどわかった。 ソウルにて、俺は時間の許す限りホドリを探した。しかし、デパートに行ってもソウルでいちばん大きな玩具店に行っても、ホドリはもう置いてなかった。そりゃそうだ。ソウルオリンピックが終わってすでに10年以上たち、それほど人気も出なかったキャラクター商品をずっと扱っているはずがない。今長野に行ってスノーレッツを探しても、簡単に出会えないのと同じだ。俺は仕方なくホドリをあきらめた。 だけど今でも、俺はホドリを探している。どこかにホドリのぬいぐるみがあるのなら、ぜひ手に入れたい。幼い頃の思い出の宝物を、もう一度弟に見せてあげたい。
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