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りょうちんのひとりごと
りょうちん
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2006年03月09日(木)
Vol.641 切ない気持ち

おはようございます。りょうちんです。

大切にしていたものをなくしてしまったり、大好きな人と二度と会えなくなったり、伝えたい想いがどうしても届かなかったり。今まで生きてきた中で、いろんな切ない気持ちを俺は経験してきた。だが特にその中でも、卒業で経験した切ない気持ちは特別なものだったと、今も俺は感じている。
春は旅立ちの季節だと言われるとおり、卒業式の直前には中学の時も高校の時も受験が待っていたし、大学の時は就職が待っていた。だからうかうか気を緩めてばかりもいられなかった。でもそんな中で、もうすぐ俺らは卒業してゆくんだという気持ちを切り離すことはどうしてもできなかった。きっと俺はココロから学校が好きだったのかもしれない。学校に行けば当たり前のように一緒にいた友達と、もうじき一緒にいられなくなってしまうことが寂しくて仕方なかった。卒業式が近づくにつれて、あとどのくらいこいつらと一緒にいられるんだろうとカレンダーで数えるたびに、ため息がこぼれて悲しくなった。友達の前ではなんでもないように強がって笑っていても、本当はどうにもならないタイムリミットを少しでも引き伸ばしたかった。そして、晴れて迎えた卒業の日。胸に秘めた切ない気持ちををどうすることもできないままで、春の風に背中を押されながら俺らは旅立っていった。
あの卒業の時に感じた切ない気持ちを、俺はいつのまにか忘れかけていた。いや、覚えていたつもりだったのに、あの頃に感じていたどんなに叫んでもコトバにならないどうしようもない想いを、俺はすっかり忘れかけていたのだ。しかし先日、ふいにFMからあの頃よく聴いていた卒業の歌が流れてきて、突然よみがえってきてしまったのだ。あの卒業の時に感じた、どうにもならない切ない気持ちを。
誰もがこんな気持ちを経験して生きているに違いない。卒業で知る切ない気持ちは、誰だって特別なのかもしれない。そうやって人は大人になってゆくのだろうか。そしてまさに今、卒業シーズン。切ない気持ちを胸に抱いて旅立っていくすべての人たちへ、卒業おめでとう。