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りょうちんのひとりごと
りょうちん
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2006年04月12日(水)
Vol.649 たけのこは今が旬

おはようございます。りょうちんです。

実家に帰ると、母が大きな鍋でたけのこを煮ていた。竹やぶで取れた朝取りの大きなたけのこを、ご近所さんから3本もいただいたんだそうだ。たけのこは今が旬。「雨後のたけのこ」とは良く言ったもので、4月になって雨が降ったあとには、ぞくぞくとたけのこが顔を出してくるのだ。
たけのこといえば。ちびっこだった頃、よく梅干をたけのこの皮に巻いてしゃぶったことを思い出す。キャンディーをなめる感覚でおやつとして口にしていたのだが、たけのこの皮に生えている細かい産毛を包丁の背できれいにこそいで、それを梅干に巻いてしゃぶるだけのもの。ほのかに香るたけのこの香りと梅干の酸味が口に広がって、俺にとってはとても懐かしい味なのだ。しかも、この梅干を巻いたたけのこはすぐに食べ切ってはいけない。なぜなら、長時間梅干を巻いていることで、たけのこの皮が次第に赤く変色していくのを楽しむという遊び的要素もあるからだ。ちなみに、梅干の代わりに味噌を入れると青く変色するし、両方を入れてしゃぶると紫色になる。リトマス試験紙のように、酸性とかアルカリ性とかの理由で色が変色するのかどうかは定かではないが、しゃぶっているうちに色が変わるという楽しいおやつはたけのこが出てくるこの時期ならではのものだった。
そんなことを思い出しながら、母がたけのこを煮ている横で、久しぶりに梅干を余ったたけのこの皮に巻いてしゃぶってみた。けしてうまいものではないけれど、やっぱり懐かしい味だ。固いたけのこの皮も、しゃぶっているうちに俺の口のカタチになじんで柔らかくなってくる。そして次第に繊維に沿って色も赤くなってきた。こんなことで単純によろこんでいた幼かった自分が、なんだかかわいく思えた。
そういえば、ずいぶん前から相方がたけのこが食べたいと騒いでいたっけ。下茹での処理だけしたたけのこをおみやげにもらって戻ってきた俺は、相方のリクエスト通りチンジャオロースーと若竹汁を作ってみた。やわらかくてちょっとだけえぐみの残るたけのこはとてもおいしくて、春の味がした。