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2006年12月11日(月) ■ |
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Vol.676 過ぎてしまえば |
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おはようございます。りょうちんです。
ちょうど去年の今頃、俺は絶望の中を夢中でもがき歩いていた。クリスマスが近づくにつれて街中がイルミネーションで飾られにぎやかな音楽が聞こえてくるのに反比例して、それがさらなるプレッシャーとなって俺のココロを押し潰していった。希望なんてもう手には届かないところに存在する雲のように思えて、必然的にやってくる単調な毎日の繰り返しをひどく苦痛に感じながらただ生きていくしか方法はなかった。負け犬でもいい、すべてを投げ出してこの世界から逃げることができるのならばどんなに楽になれるだろうか。そんなことを考えてみても、結局は何も変わらない現実の中にいる自分に気がついて、闇はどこまでも限りなく続いているように感じた。 ココロに余裕がまったくなかった。たとえ目の前に倒れて苦しんでいる人がいようとも、手を差し伸べることすらしない俺に違いなかった。なぜなら手を差し伸べてほしいのはむしろ俺の方であり、誰よりも今は俺の方が苦しいんだと疑わない俺だった。持ち前の前向きな考えなんて微塵もなく、無理して強がってみてもそれは明らかに空回りばかりで、本当の気持ちは完全に閉ざしていた。 春になり、ようやく闇を抜け出すことのできた俺は少しずつ自分を取り戻していく。そして1年たった今、あれも自分の越えてきた険しい道だったんだなぁとしみじみと思えるまでになった。打ちのめされそうな絶望感と戦っていたあの頃に比べると、今の気持ちのなんとすがすがしいことか! そう思えるようになったことが、俺にとっての前進なんだと思う。またひとつ俺は成長したのだ。 どんなにつらくて苦しくて、その時は死にそうなほど痛みを感じていても、それを過ぎてしまえばもう痛みは感じない。傷痕を確認することで、どれだけ大きな試練を越えてきたのか改めて胸に刻めばいい。むしろそれが勲章となり、自信や希望へとつながっていく。今の俺がそうであるように。クリスマスが近づき、また街がにぎやかになってきた。でももう俺は去年の俺じゃない。闇は光へと変わったのだ。
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