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2011年05月05日(木) ■ |
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Vol.776 伊豆大島体験記・後編 |
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おはようございます。りょうちんです。
前回の続き、伊豆大島体験記・後編。 さすがに朝まで熟睡できるはずもなく。幸い避難指示は解除されたので港のフェリー乗り場へ行ってみたが、大津波警報が出ている限りフェリーは動かないと言われた。翌日は仕事の予定だったが、当面は伊豆大島から出られないと腹をくくる。と同時に、それなら仕方ないと割り切って俺らは観光を再開する決意を固めた。 午後になって大島公園の動物園にいると、島内アナウンスが流れた。大津波警報が津波注意報に変わったので、伊東行きの臨時便が出航するとのこと。伊東から千葉まではかなり遠回りになるのでさんざん迷ったが、またいつ津波が来るかもわからないし東海道線も動き始めたらしいので、俺らは再び港へ向かうことにした。 港では町長や役場の職員たちが、大勢見送りに来てくれていた。こんなVIP待遇を受けるなんてそうそうないと思いつつ、伊豆大島での2日間を思い返してみる。震災のせいで夜まつりも椿まつりも中止になり浜の湯も臨時休業になってしまったが、各所で出会う伊豆大島の人たちは誰もが温かかった。椿園のおじさんも土産屋のおばちゃんも観光案内所の職員もレンタカー屋のスタッフも、大変な時に伊豆大島に来ちゃったねぇと口をそろえて言ってくれた。くさや屋のおばちゃんは乗りかけた車まで追いかけてきて、手作りマフィンとお茶を俺らに押し付けて帰っていった。泊まれなかった船宿に帰り際にごあいさつに行くと、ご主人と女将さんは夕食で出るはずの金目鯛とあしたばを保冷箱に入れて持たせてくれた。困った時はお互いさまの精神は、25年前の三原山の噴火で全島避難を経験しているからか。本当にありがたい。予定は大幅に狂ったが、普段できないことをたくさん体験できた。 伊東からはのんびり各駅停車で帰ってきた。帰宅したのは日付も変わる頃になってしまったが、翌日の仕事には支障はなさそうだ。自宅では地震でTVがぶっ飛んでてびっくりしたけれど。伊豆大島で出会った人たちに感謝の気持ちを込めて、後日お礼の手紙を送った。来年また椿が咲く頃、もう一度伊豆大島に行こうと思う。
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