猫の足跡
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2002年03月24日(日) はじめてのおりょうり。

 Y(彼氏)が妙にうれしそうな電話をかけてきました。週末を別々に過ごしたときは、大体、「何してた〜」って話なんだけれど、よほど楽しいことがあったのかと思ったら…。

 生まれて初めて、「自力で料理を作った」ことのご報告でありました。で、すごくうまくできちゃって「俺ってすごいかも」といううれしさ大爆発だったようです。

 Yは、現在某所のマンションに一人暮らしですが、実は、生まれて初めて親元を離れたんだそうです(30過ぎて情けない、とも思いますけど、まあ、それは別の話)。で、オトコ兄弟の家庭らしく「家事は母親に任せきり」だったそうで、当然、「飯は作れないし作らない」。したがって、昨年7月の転勤以来約8ヵ月間、米は炊くものの、おかずに関してはすべてコンビニとスーパーのお惣菜で賄ってきておりました。

 オトコらしく(?)基本的に肉食獣だし、食べ物にはあんまりこだわらないので、草食獣のワタクシと違ってそれでもあまり問題はなかったようなのですが、さずがに会社の人からも「少しはできるようになっといたほうがいいですよ」なんて言われていたらしく、昨日、ふとスーパーで「お、ちょっとヒマだし、料理でもしてみるか」と思い立ったんだそうです。

 メニューはもちろん「カレー」。お約束ですね。
 まず、カレールーを手にとり、その箱裏を見ながら、たまねぎ、にんじん、じゃがいも、肉とカゴに放り込んでいったのだそうですが、「“肉200グラム”って、牛なのか豚なのか分からなくってさー、すげ−悩んだんだけど、肉売り場に行ったら“カレー用”って書いた豚肉があったからそれにした」だの「“たまねぎ1個半”って箱に書いてあったんだけど、1個半買えないから仕方なく2個買った」だの、もう、「初めて料理します」って札を首からぶらさげた30オトコがスーパーをうろうろしている姿が目に浮かんでしまって、笑えて笑えて…。

 で、包丁となべはあるから…と部屋に帰って、まずは皮むき。「りんごの皮くらいしか剥いたことなかったからさ、時間かかっちゃって、皮厚のがたがただし。」「たまねぎ切るとほんとに泣くんだって俺はじめて知ったよ、みじん切りとか手のかかることしたわけじゃなくって、ただざくざく切っただけなのに」と今度は、テレビの前に据えたちゃぶ台に包丁とまな板を持ってきて。悪戦苦闘している姿が涙を誘います(力任せに上から押しつけるように切ったんだろうな〜。軽く滑らせるように切れば、あんまり涙は出ないんだけどね)。
 
 次は、材料を炒める工程(奴の言い様を聞いていると、まさにこの言葉がぴったり!)。「サラダ油がなかったから、ごま油使ったんだけど、いいんだよね(いや、ごま油は高いし、香りが強すぎるので普通カレーなんかにゃ使いませんけど…)」「どれから炒めればいいって書いてなかったから、とりあえず全部ぶちこんだ(まあ、高級牛肉の塊を使っているわけでなし、問題ないない、安心して)んだけどさー、炒め加減がわからなくって、生煮え嫌だったからなべの底がすこし焦げっぽくなるまで炒めて水入れた(たまねぎが透明になったら火を止めましょう)」

 「で、煮立ったらルー入れてさ、最初は水っぽいかなって思ったんだけど、時間が経ったらすげーいい感じで、うまかったんだ」

 はいはい。じょうずにできたのね。よかったねー、おめでとう(拍手)。

 経験者の皆様は当然ご存知でしょうけど、本(や箱)を見ながら作るとたいていうまくできるんですよね。で、調子に乗って、次回、自分で作ると大失敗。「あれー、こんな味じゃなかったはずなんだけど」ということに…。というわけで、「俺って料理うまいじゃん」と勘違いしているYに「ふっふっふ、あまいぜ」と方頬で含み笑いしてしまうワタクシでした。

 「俺さ、行き当たりばったりだから、次いつ作るか分からないけど、“簡単な料理の本”とかあったら買っちゃうかもな〜」だそうで。ホント可愛いやつ。K嬢の旦那のように、妻顔負けの料理自慢にはなれないでしょうけど、それでもいいから、いつかご馳走してね〜。

 初めて料理したときの感動なんて、すっかり忘れていた自分には、とても新鮮かつほほえまししくもうらやましい話でした。
 
 「ところで、アンタ、小学校の家庭科とか林間学校とかでカレーくらい作らなかったのかい?」という素朴な疑問はついに口に出しませんでしたけど…。


※0311もアップしました。


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