猫の足跡
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2002年05月01日(水) 難行苦行とはこのことか

 髪をカラーリングしているのですが、髪質が悪いせいか、プールに行っているせいか、どんどん色が抜けてしまうのが気になっていました。もとはきれいな濃い栗色にしたはずが、今ではまるでヤンママのような、もしくはトラ猫のようなパサパサした赤茶毛に近い色になっているのです。

 長年おつきあいした美容師さんにフラれて以来、手入れもろくにしなかったボサボサ髪にも嫌気がさしていたので、ぴしっと切って、色もできるだけ地毛に近いところに戻そうと思いました。会社を4時すぎに早々出て、1ヵ月ほど前に行った会社近くの美容室でお願いしたはいいけれど…。

 髪の色を戻すのになんと4時間かかっちゃいました。ひ〜。

 でも、これは美容師さんの腕前が悪いせいではなく、たぶん(というより絶対)、ワタシの髪質が悪いせいなんです。もともとパーマが非常にかかりにくいと言われてますから。

 美容師さんが、「あれ〜、なかなか色が入りませんね。」と何度かチェックを繰りかえしたあたりで、すでにその予兆はありました。「とりあえず流してみますね」と流しへ。一度、髪を洗ってもらいましたが、やっぱりぜんぜん染まっていないようで、あの仰向け椅子に寝かされたまま、「ここでもう一回カラーリングしてみますね」と…。

 【ここで美容室の“あの”椅子について】 
必ず髪洗ってくれる人が「椅子の位置は苦しくありませんか」って確認してくれますけど、腰の位置と頭の位置がピッタリ合ったためしがありません。私の体型が悪いのか、ちゃんと言って気持ちいいポジションにしてもらえばいいのか分かりませんが、めんどくさくてついつい「まあいいか」的なポジションで我慢してしまいます、一般の人はどうなんだろう、と考えつつ。

 で、その椅子に寝かされたまま放置されること約15分。腰のだるさは限界に近づいてきました。ピルルルとキッチンタイマーが鳴って美容師さんがきてくれたので、「ああ、やっと解放される」と胸をなでおろした(というより、腰を伸ばしてみた)のはつかの間、美容師さんは申し訳なさそうに「やっぱり、ちゃんと染まってないんで、あと少しこのままお待ちください」と言い残して去っていってしまいました。そ、そんな殺生な。

 そしてさらに永遠にも感じられる10分程度が過ぎ、美容師さんが再度やってきます。そして、運命の最後通牒、「う〜ん、もう一度、お席に戻っていただいていいですか?」

 私は心の中で叫びました「いや、もういいです。髪の毛なんてどうでもいいです。帰りますから解放してください」

 日頃、強気で鳴らしてるわりには、一生懸命やってくれる人に妙に弱い私。そんなこと一言もいえるわけなく、「ああ、ごめんなさいね〜、髪質が悪いんですよね〜」なんて力なく微笑んで、また、鏡の前に戻りました。

もう雑誌は7冊読んで、かなり辟易したので、鞄を出してもらい、読みかけの文庫本にとりかかりました。かなり厚手の3センチ以上ある翻訳本なので、「まさか、読み終わることはないだろうな」と嫌な予感を漂わせながら読みふけりました。
(ローレンス・ブロック『死者との誓い』いい本です。NYを舞台にした切なく重い探偵シリーズです。実は単行本でも持っているのですが文庫化されたようで、ダブりを承知の上でまた買ってしまいました。)

 そして、また数十分が経過。なんどか美容師さんまたは見習いさんがチェックにきますが、そそくさと逃げるように「もう少しお待ちくださいね」と去っていきます。
 
 結局、最後は、意を決した美容師さんがカラーリングの見本帳(カラーリング材の色調とそれに対応して染めた髪束の見本がひっついている厚紙の本)を持ってきて、「最初、この色(ダークブラウン)を入れたんですけど、駄目で、今は、この色(烏の濡れ羽色みたいなブラック)を入れているんですけど、本来の色が出ていない状態です。地毛がそんなに真っ黒ではないので、今は地毛に近い色になっているようにみえると思うんですが、すぐに抜けて、地毛より2トーンくらい明るくなると思いますが、いかがでsしょうか、これ以上カラーリング材を使うと髪が痛みやすくなるので、今日のところはこのあたりで、と考えているんですけど」と丁寧に説明してくれました。
 真っ黒にしたいわけではなかったし、とにかくもう帰りたかったので、「どうも。すみません、お手数掛けちゃって」とひたすら低姿勢で解放してもらいましたが、時は既に夜9時近く。美容師さんとの雑談で、今日の美容師さんのシフトは早番、7時上がりだと聞いていたので申し訳ない気持ちでいっぱいになってしまいました。

 そんなわけで、私の髪はいまだけ黒髪です。しばらくちゃんとトリートメントしなきゃ。



 


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