月のシズク
mamico



 eclipse

アフリカ上空あたりで、今世紀最初の皆既日蝕があるというので、
午後8時ごろからメディア・プレーヤーでライブ画像を流しながら仕事をしていた。
アフリカ独特の太鼓のリズムが後ろで流れていて、ジンバブエからの画像が
送られていた。

カメラにフィルタをかけているらしく、白く映る太陽にはちゃんと黒点まで
見えた。ゆっくりと下の方がら食されてゆく太陽は、いびつに姿を変えてゆく。
月が太陽を食らうとき。

そのまま放置して仕事を続けていたら、いつのまにやら太陽が三日月の
ようになっていた。完全に月に隠されてしまった空は、黒くなにも見えなかった。
その次の瞬間、強い光が画面に放出され、白い輪郭が現れた。
なんだかあまりに完璧すぎて、仕事そっちのけで画面を見つめてしまった。

すごいよな、ライブでこんなに手軽に日蝕が見られるんだから。
と思いながらも、あの白く強い光がちらちらと瞼をつつく。
古代の人は、日蝕や月蝕は不吉な現象と捉えていたらしいが、
あながち嘘ではないのかもしれない。



2001年06月22日(金)
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