月のシズク
mamico



 沖縄八重山諸島の磁力

実は、週の初めから金曜の夜まで、沖縄の八重山諸島へ行っていた。
ゴールデンウィークの頃に梅雨入りすると聞いていたが、GW直前のこの週は、
観光客の姿もまばらで、驚くほどの晴天続き。天の神に感謝したくなる。

東京から那覇まで約2時間。小型機に乗り換えて、石垣まで更に1時間。
慶良間諸島、宮古諸島を越えたところに、八重山列島がやおら姿を現す。
石垣島、西表島、与那国島、そして日本最南端の島、波照間島。
私は石垣島を拠点として、西表島、竹富島、そして沖縄本島の4つの島を訪れた。

「島時間」という概念があるらしい。
最近はそれを「スロー・ライフ」の代名詞的コンセプトにして売り出してもいる。
どんどん高速化する都市生活の「ファースト・ライフ」の真逆を狙う、言葉のアヤ。

ふぅん、と思った。
へぇ、とも。

島での生活の大部分は、自然の摂理への柔軟な適応によって成り立っている。
雨が降り、雷が鳴り響くときは、動かずじっと天の恵みを享受する。
日が長く夜は明るいので、夜は遅くまで店を開け、昼までゆっくり休む。
花が咲き、鳥が鳴くので森をむやみに伐採しない。
島のひとたちは、自然と共存するために、自然を敬う。
私はそんな彼らの姿と行為に心を打たれた。

高速化、低速化。時間にギアなんてないのに、と思う。
都会人は時間に拮抗しようとしている。制御し操ろうと必死になっている。
わたしたちは生活の中で、感動し、感謝し、想像し、祈ることを忘れてしまう。
島で生きるということは、自然の中に魂を解放する、ということ。
人為的な時間軸を外し、太陽と月に敬意を払うということ。

わたしはもう一度それを思い出すために、
遠く八重山地方から発せられる磁力に従った。
たぶん、それだけのこと。

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■サイトの方に旅の模様を少しずつ紹介していきます。遊びに来てください。
■ゴールデンウィークなんですね。東京は寒い。風邪をひきそうです。
■えー、やっと、というか、ついに、というか、マンタに会いました。しかも3枚!
■しばらく大人しくしています。コレ、自分に言い聞かせてるだけですけど。



2002年04月28日(日)
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