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■ 5月のある晴れた日におもうこと
5月から新しい環境での生活が始まって、どうやら日々健康になっているようだ。 常識的生活人からみると、私の生活サイクルにはやや時差が生じているが、 三度の食事を摂り、8時間近くの睡眠を確保し、天気の良い日には太陽を浴びている。 確かに収入は減ったが、そのぶん出費もぐんと減っている。理由は簡単だ。 仕事のストレスによる衝動買いが減ったことと、外食をしなくなったからだ。
以前は12時間近く、デスクに座りっぱなしで、チカチカするモニタを見続け、 右手が腱鞘炎になるくらいクリックやスクロールを繰り返す毎日だった。 それが仕事で、その代償としてお給料をいただいていたのだから文句は言えない。 でも正直、自分が内側からじわじわと腐っていくような気がした。 脳味噌の皺もどんどん伸びて、肉も骨も衰えていく感覚があった。 老化ではない。これは退化だ、と気付いたとき、私は仕事を辞めた。
そして、今の生活が始まった。
アシスタントの仕事は不規則で、気まぐれで、愉快なアクシデントが多い。 私はヒールを脱ぎ、エレベーターを使うことを止め、スニーカーで非常階段を 駆け上がったり、滑り降りたりしている。日差しの中、おいしそうな緑の芝生 を踏みしめて(柔らかで気持ちよい)キャンパス内を移動する。
おつかいに出たり、採点をしたり、原稿をチェックしたり、リサーチしたり、 書庫に降りたり、資料を作ったり、教授のおしゃべりに付き合ったり(!)、 実に楽しくシゴトをさせてもらっている。本と音楽の近くに居られるのも嬉しい。 今日は「マーラー5番」とマスカーニの「カバレリア・ルスティカーナ」などのCDを チェックしていた。カラヤン?ベルティーニ?アバト?シャイー?どの指揮者で、 どこのオーケストラの演奏か?? なんて、私にとっては楽しくてしょうがない。
そして、私は日々、健康になってゆく。カラダもココロも。
夜、ますます正直になった私の身体が「肉を食べたい」と欲したので、 友をつかまえて焼き肉をたらふく喰らう。この友、クラシック音楽業界人さんで、 私の質問にすらすらと答えてくれた。なんとも心強し。 「これからは、ナマ演奏をたくさん聴ききなよ」とアドヴァイスされる。 なるほどね。今ならば、純粋にオンガクも身体からゴクゴクと吸収できそうです。
2002年05月22日(水)
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