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■ 嘘と秘密とウィスキー
誰かの秘密を持つということは、その誰か以外の人たちには嘘をつくということで、 その両者の立場やら気持ちやらを痛いほど知ってしまっているアタクシには、 この状況がどうにもこうにも、そう、ツライのです。
体内に抱え持たなければならないことがツライのではなく、 それを隠さなければならないことが辛さを生む、ということ。 それでも私は、作られた秘密と嘘を守ることにします。はい。
昨日、やっと原稿を出し終えて、身も心も極限のヨレヨレ状態に。 でもこれで、ひとつの区切りだっ、ということとで、宴じゃっ!(苦笑) 女ともだちを引っ張り出して、渇いた喉に冷たいビールを流し込み、 旨い料理に日本酒を舐め舐めし、まだ足りなくてバーへ転がり込む。
前回の演奏会に来ていただいたお客様が、まったくもって嬉しいことに 「吉祥寺の××××××というバーに、ハーパーのボトルを取り置いてあるので、 よろしければ好きなだけお召し上がりください」などと仰ってくださる。 もちろんお言葉に甘えて、お店が終わる時間までウィスキーを呑むオンナふたり。
そして、更に嬉しいことに、なんとそのバー。マスターがピアノを弾いてくれる。 のみならず、昨日はクラリネットを吹くおじさまと、ジャズを唱うお姐さまが。 お客はわたしたちふたりのみ。ひとの声にも似た音の波にとろりと呑み込まれ、 渇いたカラダに温かな液体が満たされてゆくような気分。丸みのある幸福。
疲弊したココロとカラダに浸み渡るオンガクは、何にも代え難い治癒となる。 気が付けば、嘘も秘密も苦しみさえも、すべて体内に溶け込んでいた。
2002年11月21日(木)
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