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■ 奇妙な共同生活?
ひとあし先においとました研究室の忘年会の帰り道、イルミネーションに彩られた 住宅街をぽくぽく歩いていると、ピロロンとメイルの着信音がポケットで響く。
「今日、行ってもいいですか?」 送り主はさっきまで一緒にわいわい飲んでいた妹ちゃん。 電車もまだある時間だったけれど、こっちに帰ってきたいそうな。 ちょっと過保護で心配性で甲斐性ナシの姉、「いいよ」の返事。
午前零時に帰宅すると、シゴト帰りの編集長が今から新刊を届けてくれる との連絡。その30分後、右側のライトを茶色のガムテープを貼り付けた 神戸ナンバーの深緑の車、ご到着。なんでも木にぶつけたそうな。(苦笑) 久しぶりに会う編集長は、休日返上の仕事続きで疲弊ガオ。眼の下のくまちゃん。
「愚痴は許さんが紅茶は淹れたる」などと、新刊と引き替えに茶を差し出す。 そこに、ピンポーン、と妹ちゃん、ご来店。ご帰宅?いえ、ご到着。(笑) 「ただいまー」と元気よく挨拶し、黒い皮のブーツを脱ぎ、てててと寝室へ 向かってゆく。その後ろ姿を、ぽかんと追う編集長のアホっ面。
「なんかジブンちみたいだね」 編集長が、隣室でコートを脱ぐ妹ちゃんに声をかける。 実は今月号から妹ちゃんも寄稿しているので、編集長への顔合わせは既済。 へへへっ、と笑いながら、妹ちゃんは私たちがお茶をのんでる台所へ入ってくる。 時すでに午前1時をゆうに回っている。なんだか妙なさんにん。
「あ、シャシン、撮ろっか」 おもむろにデジカメを取り出し、ミニサイズの三脚にセッティングするあたし。 そして深夜の台所で、せこせこと寄り集まり、持ち寄りの笑顔を向けるさんにん。 納められた画像は、奇妙なほどしっくりと馴染んでいて、まるで昔からの同居人のよう。
共同生活。 あこがれていないわけでもナイけれど。
2002年12月23日(月)
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