月のシズク
mamico



 「地上の星」

祖母とのふたり生活。
大晦日の夜は仲良くこたつに入って、紅白歌合戦を観戦。
「戦い」というよりは、フェスティバルですよね。恒例行事。
アルフレド・カセーロさんが言うように「歌に国境はない」ですし。

富山の黒部ダム第四発電所から中継された、中島みゆきさんの「地上の星」、
ちょっとふるえちゃうくらい感動しました。そうだよね。人は空の星ばかり
見上げて、地上の星たちに気が付かない。こんなにたくさん瞬いているのにね。
などと、女王さまの如き貫禄と圧倒感を画面から漂わせるみゆきちゃんの歌に
小娘は深く納得したのでありました。このトシになって紅白を楽しむアタクシです。

さっき、父のダウンジャケットを拝借して、煙草をすいに外に出た。
雪雲は関東地方に散歩に出たらしく、雲間からオリオンが見えた。
「冬の星座がいちばんきれいだ」と言ったのは誰だったろうか。

駐車場には誰もいなくて、私が吐く青白い煙だけが冷気を揺らす。
誰もいないのに、ふと、大いなる眼に見守られている気がした。
こうして私は、また、年の裂けめを、ひょい、と、飛び越えよう。


2002年12月31日(火)
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