月のシズク
mamico



 守るために戦う

20日未明に戦争が始まった。
折しも、8年前のこの日の朝、東京では地下鉄サリン事件が起こった。

湾岸戦争の攻撃が開始された午後も、阪神大震災が起きた朝も、
地下鉄サリン事件が起きた朝も、WTCが攻撃された深夜も、
私は為す術もなく、ただただテレビから流れ出すニューズを見つめていた。

瞬時に映し出される戦火、難民のキャンプ生活、反戦デモ、各要人のスピーチ、
爆弾や戦闘機の数、情報を知れば知るほど、私は余計にわからなくなってしまう。
自由とは、平和とは、何なのだろうか。

アメリカがイラク戦争を開始したという現実は、もう変えることはできない。
アメリカは世界の平和を守るために戦う、と言う。
イラクの軍人は、家族を守るために戦う、と言う。
守るべきものがあるから、それを守りぬくために戦うと言う。

いったん口火が切られると、「守る」という行為が「戦う」という行為に
置き換えられる。そうしなければ、守ろうとする主体すら消されてしまう。
だから、ひとは守るために戦い続けるのかもしれない。皮肉な話だが。

はじめに立ち返ろう。
この戦争は何のためのものなのだろう。
まだしばらく、考えてみたい。

2003年03月22日(土)
前説 NEW! INDEX MAIL HOME


My追加