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■ タダでは転ばぬ女
昨夜、新宿で前会社の同期会の帰りのハナシ 小雨の中、急ぎ足で駅に着き、皆と笑顔でバイバイと手を振り合い、 中央線の階段を駆けあがった、その直後。突然ソレがアタシを襲った。
どきどきどきどき、と、動悸が爆走し出し、耳の奥で反響した。 マズイ、と思ったときには、次から次ぎへとドアに乗客が駆け込んでくる。 鼓膜にぼんやりと白い膜がかかり、ほとんど聴覚が機能しなくなってきた。
「ゆーちゃん、ダメだ。次の駅で降りる・・・」 同じ電車に乗った、ゆーちゃんにそう呟いた(つもり)だった。 電車が動き出した直後、今度は視覚が狂ってきた。
カラーだった風景が、白黒の画面になり、そのうち、つぶつぶが確認できるほどの ドットとなって現れた。視覚が狭くなり、吊革につかまっていた左手の力がヌけた。 そして、アタシの機能不全な身体は、そのまま、すとん、と落下した。
背後にいた外国人の女性ふたりが、わたしを抱きかかえてくれた(ようだった)。 「こーいうときに、オトコのひと、ぜんぜん助けてくれないのねっ!(訳)」 などと、周囲に軽く非難を飛ばす彼女たちの声が聞こえた(ような気がした)。 「てっ、てんきゅっ・・・」 肩をすぼめ、朦朧とした意識の中で、いちお礼を言ってみる。
中野駅のホームで、ゆーちゃんにのしかかったまま下車。 ベンチに腰掛け、しばらくすると、視覚(色つき)→聴覚(白い膜がとれた)の順 で感覚が戻ってきた。うわっちゃ、これっていわゆる貧血だよな、と冷や汗を拭き ながら(嫌なかんじの汗だった)じょじょに立ち直る。指先がわずかに痺れていた。
そのふるえる指先に握られていたもの。 黄色いステッカー。美しいオトコたちが五人。あっ・・・・、ANA?
近づく足音に我に返り、水を買ってきてくれたゆーちゃんをみあげる。 「マミゴンて、タダでは転ばぬ女だよね」 ・・・月一の「オンナの日」には、血は不足するのに、血迷った行動しちゃうのね。
2003年04月16日(水)
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