東京1人旅・2日目(前編) - 2005年11月19日(土) まだ浅草 昨日買っておいたコーヒーとパンで黙々と朝食をとり、すがすがしい気持ちでホテルを後に。1人で、知らない街にいて、今日は何をしても自由。なんて素晴らしいことでしょう。まずは雷門前のセブンイレブンから実家へ向け北斎展図録を発送。ようやく荷が軽くなりました。宿を決めた時に「隅田川が近いから、水上バスに乗ってみよう」と決めていたので、今日のメインはほぼそれなのですが、昨日は仲見世界隈を見そびれたので少し歩いてからにします。荷物を抱えたまま雷門前に行くと(夜の閑散とした雰囲気が嘘のよう)、マイクを抱えたTVクルーと人だかりが見え、そこにはなんの因果か大泉洋氏の姿が。横にはバスガイド姿の中野美奈子アナの姿も見えました。道行く観光客の奥様が「大泉洋。大泉洋よ」と言っているのが聞こえます。全国区だ。すごいね。思わず追いかけそうになりましたが、いまここで道産子が道産子を追いかけてどうする。とハッと我に返りました(でも少し追いかけました)。 そうだ、もう一つ目的があります。大学の後輩、うん娘ちゃんに教えてもらった「ペリカン」のパンと、「ふじ屋」の手ぬぐいを買うのです。うん娘ちゃんはネットを介して交流があるのですが、浅草王なので道順から何からすべてを細かく教えてくれました。そのナビをまるごと携帯に仕込んであるので確認はばっちり。言われた通りの道順で、豆腐屋の角を曲がると確かにそこに「ふじ屋」があり、道を戻りもっと先まで行くとペリカンのパンを売っているお店がありました。探検ぽくてこういうのも面白い…全行程これだったら死ぬけど。ふじ屋の向かいにあったお団子屋で、ひと串だけ焼いてもらって外で食べました。しょうゆの味が効いた、こうばしいお団子でした。札幌にはこんな路地はないよ。さらに気分が良くなりました。 ■ふじ屋 ■パンのペリカン 隅田川水上バス さて、いよいよ水上バス乗り場へ。乗船時間も目的地もなにも調べずに来てしまったので、全部その場で考えます。もし行けるなら「葛西臨海公園」に行ってみようかと思ったのですが(でっかい水族館を見たい)、距離的にも遠く、この時間には難しそうだったので、いちばんすぐに乗れる「浜離宮行き」に乗ることにしました。浜離宮って何だっけ、というレベルでそこに向かうのもどうかと思いましたが、地図を見ていたら、どこかのタイミングで行くつもりだった新橋〜銀座方面へのアクセスがバッチリではないですか。しかも、夜に友達と待ち合わせしている月島も近い。もう決定です。やっぱり東京に歓迎されています。 川から東京を眺めるのは初めてのことです。お天道さまと頬を渡る風、自由を満喫します。文章にしてみるといささか陶酔気味ですが、この時はちょっとそういう気分でした。しかも一緒に乗っているのは外人ばかりだし、非日常の極みです。道中、とつぜん船内に「みかんの香り」が漂ってきたので、もしや!と思ったらやはり中国人もしくは台湾人とおぼしきファミリーがみかんを剥いて食べていました。札幌には台湾の観光客が多く、彼らが歩きながらおもむろに果物を食べている光景をよく目にしていたのですがここでもそうでした。そしてきらきらと輝く隅田川は実はちょっとドブ臭かったです。あからさまにドブ臭い!というのではなく、風の成分にうっすらドブ臭を感じる、という程度なのですがこれまた予想外。あ、そういえば金のうんこは補修工事中で、しっぽしか見えませんでした。 なりゆき浜離宮 到着した浜離宮は人が少なくしんみりとしていて、静かに散策している観光客が来るところ、という感じの場所でした。背景にそそり立つでかいビルとのコントラストが強烈です。突然園内放送で「午後2時から“三百年の松”の前でお神楽をやります」というアナウンスが流れたので、あわてて「三百年の松」を探しました(けっこう遠かった)。この日はちょうど加賀なんとかまつりという石川県との交流イベントを開催していたようで、お神楽というよりは大道芸だったのですがしばし観覧。お客さんは15人くらいで、ほのぼのムードでした。ひと呼吸おくにはいい場所でしたが、いざ来てみると浜離宮にあまり執着がわかないことがわかったので先をいそぐことに。 新橋駅までは歩いて行けそうだったのですが、ここで一瞬道がわからなくなりました。例のでかいビルと立体交差とゆりかもめに翻弄され、方角がよくわからなくなったのです。誰か私に方位磁石を下さい。よく見たらそのでかいビルは「電通」のビルでした。自慢ですが、今回の東京行きで道がわからなくなったのはこの時だけです。交通標識と高架の方向を頼りになんとか新橋駅烏森口に着きました。ここで衝撃的だったのは、横断歩道の向こうから歩いてくる人が「…なんか見たことある。」という顔だったことで、よく考えたらそれは昨日モノレールで向かいに座っていた女の人でした。なんとなく表情に険があるというか、不幸せそうというか、印象的な顔をしていたので覚えていたのです。もちろん笑みを交わすわけでもなくすれ違ったのですが、こんなことってあるの。私は何に導かれて歩いているの。とりあえずお昼も過ぎたところでなんだか「かつおだし」が恋しくなったので、新橋駅のセルフうどん屋で梅干しととろろ昆布の入ったうどんを食べました。私がよく知ってる安い味、でもおいしい味。元気になりました。 2日目だけ妙に長いので、次回に続く。 -
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