出向コージ苑

2002年03月24日(日) マダ〜ムな朝飯

宿泊した翠香園はどうやらかなり格調高いホテルのようだ。
広い客室、日本庭園、無料のCATV、アメニティの充実、と枚挙に暇がないが、
コージ苑の印象を完璧にしたのは本日の朝食であった。

自分が普段いくようなホテルの朝食は、大体がバイキング形式である。
好きなものを好きなだけ。
しかし今日の場合は違った。
「洋朝食」では以下のものをチョイスしなければならない。

・ジュース:トマトかオレンジかグレープフルーツ
・卵:オムレツ、スクランブルエッグまたはボイルドエッグ
・サイド:ベーコンかハム
・食後のドリンク:紅茶かコーヒー

まるで『笑う大天使』に出てくるフミオさんちの朝食である。
注文が終わると、一部マニアにはたまらんだろうと推察される制服のウェイトレスさんが、
銀(ありゃ多分本物だろう)のカトラリーをうやうやしく持ってくる。
そのまましばし待て。格調高いホテルではなにしろ焦っちゃいけないのだ。
そして燦然と輝く朝食が貴女の前に現れる。
数種類のグリーンがのったサラダ、分厚いベーコン。
クリームがきいた卵料理は、下にパンを敷いてあるところがいかにも高級くさい。
「決まった量だけしか食べられないんですか?」なんて聞いてはいけない。
「好きなものを好きなだけ」なんてお下品な事はここでは許されないのだ。
大丈夫、心配しなくてもあの量に「少ない」と文句つけるのはデブヤの二人だけだろう。
トーストなんか6枚切りの2倍はあったぞ…(3枚切りというのがこの世に存在するのか知らない)

ここで考えたのが、高級ってなんだろう、ということ。
昨年の夏、ハンガリーの最高級ホテル「ゲレールト」に泊まったことがある。
そこの朝食はバイキングだった。好きなものを好きなだけ、である。
並べられた料理のレベルが普通ではなかったのは確かである。
朝っぱらからフォアグラだの鴨肉だの出されるホテルってなんだと思った記憶がある。
しかし、そういう形式では一人一人へのサービスは皆無に等しい。
翻って今回の朝食であるが、おそらくお手本は英国の高級ホテルなのであろう。
(サヴォイなんてさ、泊まったことないけど)
外国のゲストも宿泊するようなホテルである。
きっとそのような客に満足してもらえるよう、がんばっているのだろう。

でもね。
コージ苑の横で食べていた(多分)アメリカ人の方々は、
食事の時に「ワーオ」とか「ファンタスティック」なんて連発してたぞ。
っていうことは、あの朝食、一般の欧米人が普通想像しないレベルだってことか。
ま、その人たちと親しく喋ったわけではないのでわからんが。
欧米に恥じない朝食を、といって逆に高くなりすぎちゃったっていうことなのかしら。
そう、高級って何?

と、こんな事を考えたのは帰りの飛行機の中であり、その場ではおいしくいただきました。
途中から一緒になった新郎新婦とおしゃべりをし、帰り際に日本庭園で写真をとる。
(この「写真を撮る」というのがまた、私が彼女に感じる女の子な所なのだ。)

空港は大混雑。
国内線のくせに、手荷物検査ゲートはまるで成田なみの行列が出来ていた。
お土産にはフグセットと焼酎、明太子、お菓子となかなかおっさんなチョイス。
コージ苑、当分嫁にはいけんな…精進します、と誓ってアデュー福岡!(笑)


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