出向コージ苑

2002年04月26日(金) その男、Y教授

コージ苑が長きに渡って研究を指導していただいたY教授の話をしよう。
(いや、別に過去形で書く必要性はないのだが。)

ある日、突然携帯がなった。
Y教授だ。
「卒業したのに悪いんだが、チューターやってくれ」
(註:この場合チューターとは、留学生の論文の面倒を見ることを主な仕事とする。)
「どこの方ですか」
「韓国なんだよ」
特に断る理由も無く、引き受けることにした。

そして3日後。
携帯に留守電が入る。
「Yだ。先日はなしたチューターの件だが、トルコの学生ね、一回連絡とってくれ」
…トルコ?
先生、韓国と仰ってませんでしたか。
実際に連絡を取ってみるとやはりトルコ人学生だった。
頼みますよ教授〜。

そして最初のミーティング。
本人を見ても青い眼、砂色の髪、高い鼻、どこからどうみてもアジア人には見えない。
論文計画など話し、最後に連絡先を改めて交換した。
お互いのノートに名前やメールアドレスなどを書いていると、
彼(仮にクモスケ君としよう)がまじまじと私の名前を見てこう言った。
「日本人みたいな名前ですね」

「…ええ?私日本人ですよ!?」
「そうなんですか!?Y先生は『君のチューターは韓国人になった』と言ってました」

まじですか。
Y教授について、はや6年。
まさか国籍まで間違われているとは…
頼むから単なる言い違いであってくれ、と切実に思うコージ苑であった。


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