コージ苑が長きに渡って研究を指導していただいたY教授の話をしよう。 (いや、別に過去形で書く必要性はないのだが。)
ある日、突然携帯がなった。 Y教授だ。 「卒業したのに悪いんだが、チューターやってくれ」 (註:この場合チューターとは、留学生の論文の面倒を見ることを主な仕事とする。) 「どこの方ですか」 「韓国なんだよ」 特に断る理由も無く、引き受けることにした。
そして3日後。 携帯に留守電が入る。 「Yだ。先日はなしたチューターの件だが、トルコの学生ね、一回連絡とってくれ」 …トルコ? 先生、韓国と仰ってませんでしたか。 実際に連絡を取ってみるとやはりトルコ人学生だった。 頼みますよ教授〜。
そして最初のミーティング。 本人を見ても青い眼、砂色の髪、高い鼻、どこからどうみてもアジア人には見えない。 論文計画など話し、最後に連絡先を改めて交換した。 お互いのノートに名前やメールアドレスなどを書いていると、 彼(仮にクモスケ君としよう)がまじまじと私の名前を見てこう言った。 「日本人みたいな名前ですね」
「…ええ?私日本人ですよ!?」 「そうなんですか!?Y先生は『君のチューターは韓国人になった』と言ってました」
まじですか。 Y教授について、はや6年。 まさか国籍まで間違われているとは… 頼むから単なる言い違いであってくれ、と切実に思うコージ苑であった。
|