2002年10月04日(金)


ここのところほぼ毎日主任から電話が来ている。
仕事を終えた主任と電話でおしゃべりするのが今週の日課だ。
とはいえ話すことなど特に無い。
主任の過去とか仕事とか人間関係とか、そういったとりとめもない話。

今日は主任の元奥様のお話をしてくだすった。
離婚までに至る過程を。

聞き出したわけでもないのに、なぜ。
僕は、そういったプライベートなことは聞かないようにしていた。
それが礼儀だし、話したくないだろうと思っていたから。
けれど自ら口を開くとはどういうことだろう。
キジいわく、「男は、女と違って元カノの話なんか彼女の前で平気で出来る」と。
そういえばご主人様もおっしゃっていた。

僕    「だって普通好きな人の前で元好きな人の話とかするか?」
ご主人様 「はぁ」
僕    「そういうのって、今の好きな人に対して失礼じゃん」
ご主人様 「そうなんだ」
僕    「ご主人様、もし彼女から元彼の話聞いたらイイ気分するの?」
ご主人様 「そうだねぇ」

そんな気のない返答だった。
つまり男はまったく気にしていないことになる。
しかし女の場合、現彼の目前で元彼の話はタブーであるという了解があるのだ。
よって僕は、元妻とのエピソードを聞いたとき、反応に困ってしまったのである。
一応無難な感想を述べといたが、かのエピソードは一体何のために聞かされたのか。
ただ単に、誰かに話したかっただけなのだろうか。
それならば何故その対象が僕なのか。

ここで、主任からのある言葉が思い起こされる。

        "くるちちゃんといると楽しい"
        "くるちちゃんとは波長が合う"

波長。

僕はそこではたと気付くことになる。
波、それはいかなる波?
もしかして電波とかそういった類ではないのか?
主任の言った何気ない一言、その一単語が、僕に警戒心を復活させた。
そう、まさにその波長によって僕は今まで奴等を呼び寄せ続けてきたのだ。
その波長が何なのか自覚はないが、それを受け取る者は間違いなく世間の異端者である。
主任には、そんな意識などまったく無かったことだろう。
しかし油断は禁物である。
僕は、直ちに警戒態勢をとる旨を彼に伝えた。
それを聞いた主任、「気まずい関係からやっと復活したと思ったのに」と無念さを呈した。

油断は禁物だ。
本当に禁物だ。
心を許したら僕はまた壊れることだろう。



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