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2002年10月09日(水)
そりゃあもう朝からぴーぴーうるさかった。 おい二号、お前の友達か? エンガワ、また誰か連れてきたのか?
僕は不審に思いつつも学校へ行く。 今日は特別講義の授業のある日で、17:00までにレポートを提出せねばならないのだ。 朝の4:30までデニーズにいて、ちゃんと一限から出席していたので、書く時間がなかった。 ということでぎりぎり10分前に書き上げ、提出。 よくやった。
帰宅する頃には、もう風が冷たくなっていた。 「もう一枚上着を羽織ってバイトに行こう」 そうして家に着くと、まだぴーぴー騒がしい。 なんだなんだとよく見ると、白い綿が落ちている。
猫が落ちている。
目が開いてない奴までいる。歩けない奴までいる。泣くのを止めた奴までいる。
死んだ奴もいるのか?
一抹の不安が脳裏をよぎり、すぐさま指で突いてみる。 動く。 まだ無事なようだ。 だが、外は寒風が吹き始め、もしこのまま一晩野ざらしのアスファルトの上にいれば 間違いなく全滅だろう。
即興の箱を作り、こないだ剥ぎ取った古シーツを敷いた。 いらない段ボール片を捨てないでおいて本当によかった。 僕は4匹の白い綿どもをひょひょいと箱に入れ、風の当たらない階段下に非難させた。 しかしそれを見た二号、仔猫をからかってばかり。 「やめなさい」「あっち行きな」と叱っても近づいてちょっかいを出す。 見かねた僕は、家の中に入れ、「少しの間だけ待っててね」と言い置いてバイトへ出かけた。
帰宅途中、TIME CLIPにてスポイトを購入してきた。 子供の頃、仔猫を拾ったとき、スポイトでミルクを遣っていたのだ。 実家では猫禁止令があったので、そんな体験談を持っていて本当に良かったと思った。 けれどもなかなか飲んでくれない。 途方にくれた僕はご主人様に電話した。 ご主人様は、大の犬猫好きなので、その辺は人より詳しいところがあるのだ。 とにかくミルクを飲ませなければ明日の朝には死しかない。 必死で助言を取り入れ、ガーゼを取り出し、ミルクを温め、右往左往しながら子守した。
僕には何の知識もなかった。 ただ、死なせたくなかったのだ。
ご主人様が、始発でやって来ると仰ってくださった。
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