2003年07月19日(土)


法事のため、クマたんが泊まりで長野へ行くことになった。
僕は兄たんを預かる約束をし、そして兄たんは我が家へやってきた。
この家は、兄たんにミルクを遣り、うんちをさせ、離乳まで育てた、いわば実家である。
しかもメンバーは、この僕とクマたんとご主人様。
ウチには僕とご主人様、それに小さい頃厳しくしつけた二号さんがいる。
僕ら三人は、兄たんに会えることを大変楽しみにしていたのだ。

が、兄たんは僕らのことをすっかり忘れていた。

完璧に完全に完膚なきまでに忘失していた。
僕たちは驚くとともに悲しい衝撃を受けざるを得なかった。
ただ一人、二号さんだけは兄たんの気持ちが分かるらしく、
わざとふざけたり舐めてやったりとかなりの気を遣って接していた。

ご主人様は憤慨。
「誰がミルク遣ったと思ってんだ?! 可愛くねえなあ!!」。
最近ご機嫌斜めのご主人様は、兄たんに聞こえるように舌打ちした。

その夜、兄たんは食事もろくに取らず、始終近所迷惑な声で喚いていた。
兄たんが泣くと、二号さんが飛んできてわざとけんかを仕掛けた。
兄たんがロフトに上れないと、二号さんは上から顔を出して応援した。
兄たんが玄関でクマたんを待っていると、二号さんもそれに付き合った。
僕は兄たんが寂しがるといけないので下に毛布を持ってきて寝た。
寝たと言ってもちっとも眠れなかったんだけれども。

兄たんには、本当はあと4人の兄弟姉妹がいて、お父さんとお母さん合わせて3人いて、
最も写真が多い猫なのに、ここまで不幸を背負った顔をしなくても良いのではないか。
兄たんは人間に向かってシャァァ…!!と言う。
でも野良ではないから中途半端な警戒。メシはモンプチしかくわねえし。

兄たんがいいたいことは、これまでの様子を見ていて大体分かった。
「ボクにかまわないでよ!!
 ボクのキモチなんかぜったいだれにもわかんないんだ!!
 ここボクんちじゃないもんオマエたちなんかしらない!!
 うるさいぃぃぃほっといてほっといてほっといてよぉぉぉぉ!!
 クマがきたらすぐにかえってやるんだからぁぁぁぁ!!
 (うう…くまぁ…くまぁ…ミ,,TДT彡)」

兄たんは今不幸のどん底にいるようです。
でもなんだか反抗期の少年のようないじけ方。



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