たぁちゃん日記。
さな



 ヤブ医者か否か?

8月16日。

叔父の死後処置を近所の婦長さんにしてもらう。
鼻の詰め物がなくて垂れ流し状態だったのを見て
やってくれる事になった。

葬儀の日程は17日通夜
18日告別式となる。
間に友引が入るからだ。



そして。

朝おきるとたぁが熱かった。
発熱である…。

こんな時に…
いや、こんな時だからか。


はかったら37.8。
午後になってあがっても困るので
早めに医者にかかる。

しかしかかりつけの医者はお盆休み。

仕方ないのでしゅうちゃんが
実家にいる時にかかった病院に電話。
その病院のお盆休みは前半だったらしく
今日から通常営業(?)。

予約入れてかかってきました。


病院ついたのが9時10分ころ。

受付を済ませると看護婦が出てきて
「来院の理由」を聞いてきた。
朝から熱があることを伝え
聞かれたことに答える。

せきや鼻水は昨晩少しあった。
機嫌は特に悪くない。
下痢はしていない。


しばらく待たされ診察室に通される。

聴診器を当て寝かせておなかと喉のチェック。


診断は軽い夏風邪。
熱さましの座薬のみ処方。


午後。

叔父の親友がやってきた。
昨日、叔父の携帯から電話をしておいたのだ。
電話口で「嘘でしょう?」を連発していたのだが…。
本当に嘘ならいいんだけど…。

親友Aさんは号泣していたそうだ。
何の前触れもなく、突然に逝ってしまったのだ。
当たり前の反応だろう。


たぁは機嫌が悪くなる。
さらに3時にミルクを飲んだ直後に吐く。
しかし熱は8度と大してあがっていない。
ちなみに解熱剤は未使用。


ちょうどその時葬儀屋が来ていて
叔父の亡骸に処置をしていた。
叔父の旅支度もするようなので
その様子を一部始終見ていたのだが…。

あかんぼ抱いて見るものではなかった。

叔父の遺体にはガスがたまっていた。
そのガス抜きをしていたのだ。
空気の漏れる音とともに
卵が腐ったような匂いがしてきた。

数分後、再びたぁが吐く。

吐くものなんかあったんだろうか?
という勢いで。


それに気づいた母に
「そんなザマで母親になんかなるんじゃねぇ!」
…と怒鳴られる……。


これはかなりへこんだ。


叔父の遺体を泣きながら拭いたが
叔父の死に対する涙も
母親に怒鳴られたことに対する涙も
一緒になっていてパニック状態だったかもしれない。


妹2に運転してもらって再び病院へ。
他にあいてるところなんて休日夜間しかないので
同じ病院にかかる。

あらかじめ電話で症状(吐く)を伝え
薬を処方してほしい旨も伝えてもらう。
(私はたぁを抱っこしてたので)


病院到着、すいていたのですぐに通される。


ミルクを飲んだ後2回吐いた事
身内に不幸があって明日明後日と
出向かなければならない事を伝える。
(暑さ対策で斎場借りることになったので)

結果、吐き止めの座薬を処方される。
妹が電話で言ってた薬だ。


さな「えーと、身内に不幸がありまして
  どうしてもいかないとなんですけど…」

医者「だから?」

だから何?みたいな。

さな「…薬を出してほしいんですけど」


うろ覚えだけどこんな感じ。


医者「飲めばすぐ直る薬なんてないからね〜」

さな(んなこたぁわかってるわ!)
  「でもこれで治るんですか?」


医者「様子見るしかないね」

さな「明日連れて行けるんですか?」

医者「それはわからないね
   様子見てもらわないと」


ありがとうございました…
いつも診てもらったあとに口にする言葉。

いえませんでした。



飲めばすぐ治る薬を処方しろなんて言ってない。
そんな薬があれば病気で死ぬ人なんかいないだろう。

なんでもかんでも薬を与えるのは好きではないけど
薬で治るなら薬が欲しかっただけだ。
2度も噴水のように吐いてるし。

様子を見て…悪くなったから連れてきたのに。


待合室で待っていた妹に
吐き止めしか貰えなかったと言うと
「聞いてみる」と言ってくれた。

情けない姉ちゃんである。


妹2「○とか×とかもらえないんですか?
   私も小児科で看護婦やってるんですけど
   そういう薬を処方しませんか?」

そんなようなことを看護婦に言う。
薬も受付で出してもらえたから。

看護婦「月例が低いから様子を見るしかないんですよ」

最初は丁寧に対応していたが
妹2が看護婦だと言って
べらべらまくし立てたあとは
はぁ?なんなのこの人〜?
と言う対応…。

ま、その気持ちはわかる。
いきなりけんか吹っかけられんだしな。


看護婦「じゃぁもう一度先生と話してもらえます?」

と言うわけで再び診察室へ逆戻り。
先生は相変わらずのらりくらり。


医者「でも、せきも鼻水もあるかないかっていってたでしょ?」

ちょっと私切れかけました。
あるかないかなんて言ってないし
お前(医者)に言ったわけではない。
お前(医者)に聞かれたわけでもないしな。


妹2は看護婦に話した内容を話し
お盆休みで病院もしまってるし
具合が悪くなってもかかれないことを話して
その後、最終兵器を出した。

「処方してもらえないとうちに帰れない」
これマジです。笑

母にそんな感じで追い出されたようなもんですから。


しぶしぶながら処方してくれる医者。
3種類くらいの薬名がセットになっているハンコをポン。

…ちといい加減なんじゃな〜い?
怒られるから処方してくれなんて言う患者に
そんないい加減でどうする!って
逆に怒るところではないかと思う。

少なくとも私は怒られると思っていた。


薬をいただいてうちに帰ると
三度たぁが吐く。
ほとんど胃液だ。

急いで吐き止めの座薬を挿入。
30分待てば平気らしいけど
その病院では1時間と言うので50分ほど待つ。


その後、恐る恐るいつもの半分のミルクを与えた。


薬が効いたのか今度は吐かない。
ほっとしたのもつかの間。
また…。(T_T)


何が原因なんだ?
軽い夏風邪なのか?

軽い夏風邪ってこんなひどくないだろう。


時間も遅かったので休日夜間病院に行くことにする。
処方された薬と一日の状態を説明し診察を受ける。


当番医「便は出てる?」

あれ?そういえば出てない。
たぁは私に似ず快便小僧なので
1日に3回する時もあるのだ。
全部普通便で大量だったりするしな。

当番医「便秘かもしれないから
    浣腸してみる?
    もし違ってても害はないから」(にっこり)

最後の言葉は多分…
私がめっちゃ不審な顔をしていたからかもしれない。


実際、半信半疑で浣腸をしてもらったもの。


結果。

今度は吐かずにミルクも飲めました。
もっとよこせと要求するくらいだし
機嫌も直ったみたいだし…。


またあの医者にかかっていたら
便秘だと言われたのだろうか?

それとも
便が出てないなんて言ってなかったじゃない
って言われたんだろうか?

なんとなくだけど、後者のような気がする。



夜、棺に入れられた叔父と対面する。
一番大きなサイズの棺らしい。
特注でなくてよかったね。

昨日は白い顔で横たわっていた叔父。
今は化粧を施され寝ているだけだと言われれば
そうだと思ってしまうような顔をしていた。



叔父上。

こんな風に寝顔を見られるとは…
思ってもなかったでしょう?

2002年08月16日(金)
初日 最新 目次 MAIL HOME