「皆、無事に渡りきったか?ヘルモード。」 黒馬に乗った騎士に振り返り言った。 「確認しました。全員無事に渡っております。」 ふと、安堵がもれる。 「そうか、だが安心しても居れまい。どこに奴らがわなを仕掛けているか予測がつかん。いまや、我が祖国すらも敵になりかねぬ勢いだからな。ヘルモード、お前も帰るなら今のうちだぞ。」 なかば皮肉交じりな口調だ。彼女は馬をゆっくりと進めながら対岸を見つめる。ゆるりと風が流れ美しい黒髪も緩やかに靡いている。 「閣下の強情さは昔から存じ上げておりますから、嫌だったらはじめからついて行きませんよ。そろそろわれわれも向こうに渡らねば、敵も迫ってきてますよ。」 「いや、私はもう少し待つ。お前は先に渡って行け。」 「?!なにを言うのですか!?これ以上待っても来るのは敵兵だけですよ!一体何を待つというのです」 ヘルモードは声を荒げる。 「お、お前でも興奮することがあるんだな。」 サウーレは微笑んだ。ヘルモードは我に帰り言葉を返す。 「閣下が無茶を言うからです。冗談ではなく本当にここはもうすぐ、奴らがやってきます。ここで襲われては勝ち目はありません。」 「別に戦う気はない。ただ、私は待っているのだ。」 「一体何を待っているのです。」 「そう、ずっと昔に約束した、あの人との・・・・・。」 「あの人・・・・とは?」
================================ 不摂生たたって背中痒いです。。。うえーん。
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