Underground


2005年02月16日(水)
つづき2

「べつに家出じゃないよ。」
「そうなんだ。でもきっと待っている人がいるんでしょ?」
彼女は優しく微笑んで言った。夕日に染まった赤い髪が風になびいて揺れていた。ただの若い女性のようだが、彼女の中にある何かが自分を近寄らせない。
どこか、心にかかるものを感じる。
「・・・・・。」
そんな思考を読み取られたのか彼女はさらに微笑んで言った。
「いい子ね。あの人仕込みかしら。でも、そんな顔してたら斬られちゃうから、負けそうでも笑ってなさい。」
「え。」


「おにーちゃん!!どこー!!」
頭上で聞きなれた声が響く。


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