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レンアイ(仮)ニッキ

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ウソは上手に 3

2001年08月30日(木)


えー、一昨日からの続きっす。男の人がことりに話してくれたウソの身の上話です。だいぶおハナシが展開してきたので前のから読まないとついて来れないかもしれません。


 (続き)

次の日から軍人としての訓練が始まった。

もちろん学校に行く事は許可された。
だけど放課後は毎日基地に通わなければならなかった。
親には「新しい遊び場を見つけた」ということにしておいた。
まさか自分の子供がアメリカの海軍で秘密訓練を受けてるとは想像もしなかっただろう。もちろん基地の帰りにきれいな色の小石を集めたり、変わった形の釘を集めたりする事も忘れなかった。両親はだから、ぼくたちが子供らしい、秘密の遊びに夢中になっているんだと思っていたに違いない。

だけど本当にぼくたちがやってることはそんな事じゃなかった。
銃の使い方、ナイフの使い方、素手で立ち向かう時、
あらゆるシチュエーションを想定して訓練は行なわれた。
服を着たまま泳ぐ方法、森の中で食料を確保する方法、
それらは身に付けなければ即、死を意味する。
誰も助けてくれるものはいない。
ぼくたちはお互いに助け合う余裕も無く、
自分一人で自分を守っていかなければならなかった。

1年くらいが経過して、ぼくたちはすっかり軍人になっていた。
正規のルートで入隊したわけではないので名簿に名前は載っていない。
だけど実際の作戦には何度か参加した。
(名簿に載っていないので作戦が失敗しても表ざたにならないのだ。
 作戦を実行した人がいなかったんだからね!
 ぼくたちはそんなふうに利用されていたんだ)

ロシアの船を沈めるために海を何十マイルも泳いで、小型爆弾を取り付け、
また岸まで泳いで帰る、という作戦には何度か参加した。
夜の海は暗くて、だけど闇にまぎれて動かないといけないから
使えるライトはペンライトだけ。
あれを口にはさんで泳ぐんだ。
帰る時も岸が遠くて、もうたどり着けないかと思った。
必死で泳ぎ着いて、仲間と乾杯のビールの代わりに一本ずつタバコを吸った。

いつもと同じタバコの味のはずなのに、涙が出てきた。

ぼくはまだ、生きている。

             (続く)


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