2003年08月15日(金)<<<いまさらPRIDEの感想など(その2)

○吉田秀彦VS田村潔司●
自分のフィールドに持ち込むと滅法強い・・・ さすが世界の柔道王、と
思わされた一戦。
先にピンチに見舞われたのは吉田。左フックを叩き込まれ腰を落とす。
攻め込まれ、倒されて、背後からパンチを受ける危ない局面もありました。
だけど、そんな中でも吉田は猛然と手を出して抵抗する。 そしてようやく
相手を倒して寝技に持ち込む吉田。 左腕が首の下に入り、その袖口が左手
でグイグイと引っ張られ、とうとう必殺技「袖車絞め」が決まった!
結局、1R5分6秒に田村からキブアップのタップを奪って、逆転勝ち。。。
オリンピックのブランドを持つ柔道王「吉田」と、“孤高の天才”として
Uの魂を受け継ぎ、総合格闘技を引っ張り続けた「田村」。日本人対決と
なったPRIDEのリングだが、人気は圧倒的に「吉田」有利。そんな中
負けられん!と闘志を燃やす田村の姿は、ゴング開始早々目にとれました。
ひたすらに蹴りを繰り出す田村。総合格闘技の雄として立ち技に秀でた
田村の意地が、いくら特訓を重ねたといっても所詮は短期間でのものでしか
ない、吉田の膝を破壊していく・・・
この時、吉田はどんな心境だったのでしょう?
「こんなところで負けれるか」? それとも「こいつ思ったよりも強えぇ…
やばいか」? それとも・・・ ま、何はともあれここで思ったのは、吉田が
ものすごい大層重いモノをしょって闘ってるのなぁ、っていうコト。 この
攻め込まれてる刹那に、本人はきっと重圧を感じてると思って。 それは
「ここで負けたら、今まで築き上げてきたモノ(名声・地位・プライド)
が全て無くなってしまう・・・」 それってある意味、恐怖にも似たような
圧迫感なのかも、しれないなと思って。 昨日書いた桜庭も、シウバに負け
るまでは、名声も地位もプライドも人一倍のものがあったはず。それが
シウバに負けることで、一気に失ってしまった・・・ 勝負事の厳しさって
ものだと思うけど、その恐怖に打ち勝ちつづけたヤツだけが、栄光の舞台に
立てるねんなぁ・・・と。
その証拠に、負けた後の田村の姿。マットに頭をつけたまま動こうと
しない姿は、悔し涙をこらえているようにも見えたし、試合後の会見を
田村は拒否、ノーコメントを貫いた姿は、胸中の悔しさを表していた
ように見えて、仕方なかったのです。彼も、恐怖に負けたのか・・・
勝負事は、勝ってナンボ。負けたらナンも残らへん。。。
自分がふだん行ってる仕事は、勝負ゴトとは疎遠の世界ではあるけど
いざ、勝負ゴトに持ち込まれたら・・・
「勝ってナンボや」この意識は、しっかり持つようにしたいな、と。
・・・勝った吉田と負けた田村の姿から思わされた
・・・そんな試合でした。恐怖に打ち勝ってこそ、勝負=自分の人生、か。
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