ふうこの英国留学日記-その後

2002年10月16日(水) 自分の中にある辞書


今日、この街の最高気温は9℃。それなのに、私の部屋のヒーターは壊れたまま。
この二週間、ヒーターのことで苦情を言うのにどれだけのエネルギーを
費やしたことが。。。これは私がブルーな気持ちから抜けられない大きな原因の一つ。

今日、アコモデーションサービス(寮の管理人)のところに直談判しに行った。
前に、もう苦情は言ってあるので、私のデータは彼女のパソコンに。
しかし、修理の人は来ていない。彼女が言うには、あさってまでに来なければ
おかしいので、また来て頂戴。寒いなら、毛布を貸しますよ。とのこと。
部屋にいる間ずっと毛布に包まってるわけにもいくまいに。。。

しかも、寒さに痺れをきらして通信販売で注文したヒーターが昨日届いて
いるはずなのに、ポストルームに取りに行ったら、ヒーターなんか届いて
いないという。でも、寮の部屋に戻ると、荷物が届いているのでポストルーム
に取りに来るようにという手紙が入っている。もう、どうにかしてよ!!

しかも、極めつけは、私のイギリスの銀行からの重要書類が日本へ送られた
ていたこと。母から届いた小包に、その書類が入っていたときは、
もう、びっくりだよ。私はもう、一ヶ月も前に、住所変更届だしてるんですけど?

私は思う。イギリスのサービスは表面的には対応はいいが、実質ひどいものである。日本はやっぱり、サービスの行き届いた国だと思わざるをえない。
友達の友達は寒さ厳しい2月に、一ヶ月セントラルヒーティングが壊れて震えながら暮らしていたという。2月に暖房なしなんて、死活問題だと思うけれど、
修理されるまで一ヶ月とか平気で待たされるのがイギリスの感覚。

なんて話が愚痴になってしまったけれど、今日の本題は個人の語彙について。。。
これは授業のために読んだ論文が面白かったので。。。ちょっとここでも
触れてみようと思った。

イギリスの80年代の調査によると、5歳前後の子供の平均的語彙数は5000word、大学生になると平均的に50000word前後らしい。(私はイギリス人の平均的大学生の語彙がこんなに豊富だというのは疑わしいと思う)
成人するまでに、子供の持つ語彙は10倍に増える。一日に10個くらいの新しい言葉を知るという計算になるらしい。もちろん、その伸びからには特徴があって、13歳くらいのときに、少年の持つ語彙数は飛躍することが多い。
しかし、同じ言葉を知っていても、その意味の取り方はその個人が属する文化的背景に大きく影響される。
例えば、乗り物。。。と言ったとき、スイス人はスキーを含むという。しかし、イギリス人は乗り物といえば、車輪がついたものを普通思い浮かべる。
鳥。。。といえば、あなたはどんな鳥を思い浮かべるだろう。ヨーロッパではコマドリ(Robin)を一般的だとする人が多い。しかし、日本ではどうだろう。私はスズメ(sparrow)あたりではないかと思う。

このように、個人はその社会背景に基づく、自分の頭の中にしかない辞書を使って、言葉を日々操っており、それは、違う言語ではもちろん、同じ言語同士でも
どこまでが共通認識かということを判断するのはとても難しい。

人はは、常に個人中にある辞書を使って、コミュニケートしている、その時、自分自身がどんな語彙を持っているのか、そして持つべきなのか。。。。それは個人が物事を理解するときに、そして、何かを表現しようとするときに、根強く関わってくる。

個人のの持つ語彙はその人自身の歴史、能力、思考、嗜好、そして生き方自体の反映だと思う。



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