ふうこの英国留学日記-その後

2003年05月11日(日) 見えない悪魔と身近にある幸福


金曜日に寮監に話をしに行き、騒音問題は私の引越しということで
けりをつけることができそうな今日このごろ。
以前よりも気持ちは楽になりつつあります。
騒音という目に見えない問題に苦しんだ最近、友人から教えてもらったHP。

原発がどんなものか知ってほしい
http://genpatsu_shinsai.tripod.co.jp/hirai/index.html

読んで泣きそうになりました。。。他人事とは思わないで多くの人に読んで欲しいと思った。放射能も目には見えないけれど、世界を知らないうちに蝕み続ける。
北朝鮮が核爆弾を日本に落とすことより、日本にある原発が大事故を起こしてしまうことのほうがよっぽどありえそうな話に思える。
このHPの文章を書いている平井さんが言っているように、日々、一億何千万人の人間を乗せたバスがすさまじいスピードで走っているようなものなのかもしれない。

人種差別も見えない悪魔の一つかもしれない。認めたくないけれど、私の中にも知らない間に差別の根は育っている。そして、私自身もソフィスティケートされたやりかたで日々、差別を受けている。インド系イギリス人が差別があると文句をいいながら、他の有色人種を差別したりする。たとえば、私と、金髪碧眼のイギリス人の女友達に対しては彼らはあからさまに態度が変わる。これは人種の問題以前に美醜の問題かもしれないが(笑)。
さらに、女性の社会的地位が極端に低い地域から来た男性は、私がアジア系のしかも女性であることによって、さらに性差別が加わる。何がなんでも私より力関係上、優位に立とうとしているように感じることがある。

悲しいかな世の中には目に見えない恐ろしいことがいっぱいあって、それを考えると私は自分の無力さに途方にくれてしまう。

今日、アルベルトと大学の隣にある森に探検に行った。。。道を見失い森へ深く深く入るうちに遊歩道に戻れなくなってしまった、小川を渡らないともと来た方向にもどれないという地点に差し掛かったとき、川を眺めて私は「これは靴を脱いで川を渡るしかないね」「うん、僕もそう考えてた」とアル。

小川の水は5月だというのにとても冷たかった。(今日私はダウンジャケットを着ていた!イギリスはそれくらい今も気温が低い)小川を超え、とげのおおい植物に痛みを感じながらも藪を横切り、私たちは道にたどり着いた。
そして木々の間に見渡すかぎりブルーベルという青紫の花がびっしりと咲いている場所を見つけた。驚くほどキレイだった。

道を見つけて安心してあたりを見渡すと、澄んだ空気に木々と小川が日を浴びてなんとも美しく輝いていた。子供の頃、多摩の山や小川で遊んだ頃の感覚がふと甦った。とても嬉しくなった。こんな近くに、こんな気持ちのいい場所があったのに、私は一度も来たことがなかった。美しいものを見つけようとすれば、それはすぐそばにあるということ。ここでも生活もあと3ヶ月ちょっと。今からでも遅くはない、この森をたびたび訪れたい。


 < 過去  INDEX  未来 >


ふうこ [MAIL]

My追加