キッチンでフラットメイトから日本で大地震があったと聞いて一瞬青くなりました。ちょうど、ネットでニュースをチェックしようと思ったら、大学のネットがダウンしていて数時間つながらず、その間の不安だったこと。
イギリスのニュースで死者はでていないと聞いたものの、アサヒ・コムで地震の詳しい情報を見られるまで落ち着きませんでした。ネットがつながらないと、海外にいる私たちの日本に関して得られる情報は一気に限られ、まるで手足をもがれたような気がしました。
今回の地震で私が最も心配したのは原子力発電所のこと。地震に影響をから原発で問題が起こり事故につながることが一番恐ろしい。今回の地震では幸い震源地に近かった原発のうち、「宮城県の女川原発3号機が自動停止したが、1、2号機は定期検査中で稼働していなかった。東京電力の福島第一、第二原発はすべて稼働停止中で影響はなかった。 」と聞いてほっと胸をなでおろしている。
日本は昔から地震の多い国、その不安定な地盤に原発を何十基もつくるのは、いつ爆発するかわからない時限爆弾を自分たちで設置しているようなものだと思う。 今、日本の多くの原発が稼動を中止しているという。しかし、エネルギー庁は真夏の電気需要の高まりに向けて原発の稼動を再開しようとしているようだ。 鶴田真由をイメージガールにした大規模な節電キャンペーンが行なわれている羅hしいが、この多くの先進国が原子力発電から撤退しつつあるこの時代に、実質数パーセントだと思われる電力需要不足を理由に原発の稼動再開するというもは馬鹿げているとしかいいようがない。
NTTがそうであったように、電力も市場が開放されて競争原理が働けば、原発のような企業にとって将来的に計り知れないコストがかかる発電システムは淘汰されるだろう。だがその前に、重要なのは、私たちがもう十分作り出してしまった現在ある原発からの様々な形での放射能汚染を、放射能廃棄物を増やさないことだと思う。 そのためには老朽化によっていつ事故を起こすかわからない原発の稼動を中止すること。知らない間に放射能に汚染されて、死の危険に脅かされる生活を送るくらいなら、多くの人がクーラーの温度を数度下げるぐらいの努力はするだろう。 (この件に関する詳しい情報はhttp://www.asahi.com/column/aic/Mon/d_drag/20030526.html 朝日新聞論説委員 高成田 享 氏の「関東大停電」の虚実 をごらんください。)
問題は、政府の節電キャンペーンの前では問題がすりかえられていて、多くの人は電気料金を気にするだけで、自分がどれだけのエネルギーを使い、それが社会にどれくらいの負担をかけているのかということを認識していないところにあるように思う。このコラムで彼が言っているように、日本に必要なのは正しい情報を開示して協力を呼びかけることだと思う。今日あと1%の節電で電力供給の安定が得られるとわかれば、多くの人がその1%を我慢できると私は信じたい。
エネルギー問題は、他の誰かの問題ではなく、高度工業化社会に生きている私たちにとって、逃れられない誰もが当事者の問題なのだと意識するエネルギーリタラシーが求められている。
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