ふうこの英国留学日記-その後

2003年06月03日(火) Beautiful June

日本にいたとき、私は梅雨が嫌いだった、日本の美しい四季の中でも唯一苦手な時期だった。なにもかもがじめじめしてかびが生えてしまうような梅雨が来ると、何か重苦しいような、気持ちになり鬱陶しく思った。

イギリスは冬は長く雨も多いが、日本の雨のように一日中降りつづけるということはないのであまり気にならない。何より、湿度がもともと低いので、何か濡れてもすぐに乾いてしまうのが良い。

イギリスで一番気持ちのいい季節は6月から7月の前半だと思う。日本列島が梅雨前線になやまされるその頃、イギリスは1年のうち最も美しい季節を迎える。日は長く、風は爽やかで、緑はまぶしく輝く。どこまでも広がる緑の芝、さらさらと茂る木々、花は咲き、人々は待ってましたとばかりにビーチにいるような装いで、芝生の上に寝転がったり、バーベキューをしたりしながらその貴重な日差しを楽しむ。

そんな日は、とりたてて何はなくとも、自分も芝生に寝転びながら、なんて幸せなんだろうと思う。緑と風と少しの食べ物と、語り合える友達がいれば何にもいらないと思う。でも、人生はそうはいかない。

日本のニュースを見るたびに、30代のリストラだとか、自殺だとか、悪いニュースばかり目に付く。この社会の中に私は戻っていくのだと思うと不安でたまらなくなる。私はどこへいけばいいのだろう。どこに私の居場所を作ることができるのだろう。私に何ができるだろう。


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