翌日はchimomoの大学受験日で、早起きしてお弁当を作らなくてはならないのだけど 巧く仮眠を取ったりして、未明に放映される「蟲師」を見た。 このアニメだけは、絶対見逃さない。
今夜のお話は「籠のなか」
ギンコが竹やぶで休んでいると、男が声をかけてきた。 迷って出られなくなったから、一緒についていっていいかと聞く。 その時は何も不思議に思うことはなかったギンコだけど、歩き出してすぐ、異変に気がついた。
同じところをグルグル回って、戻ってきているのだった。
くったくのない笑顔で男は言った。 「やっぱりね。俺と一緒だと外へ出られないんだ。 もうこうして3年も迷っている。」
彼はもともと里の人間だった。 幼い頃、竹やぶに住む少女と仲良くなって遊ぶうち、里へ帰れなくなった。 竹やぶから外へ出られない。
少女は蟲と人との間の子「鬼子」だった…。
やがて二人は結婚して、子供に恵まれる。 でもその子もやはり…。
そして一度は里へ戻ってみたいと願う夫のために、妻は悲しい決断をする。
――――――
ギンコは無暗に蟲を殺さない。 蟲もまた命のひとつのあり方だからと、共に生きる術を常に探す。
でも、今回はどうして彼を外へ出してやろうとしたのだろう。 もしかして一生竹やぶから出られないことを、里を恋しく思いながら居ることを不幸と思ったのか…。
竹やぶから出られなかった理由は、詳しくはここでは書けないけれど 「普通の人」と違うものは、忌み嫌われるものなのか…。
わたしも感受性が強いばかりに、遠巻きにされたことがあって それは時代が変わっても、変わることなく人の心の裏側に棲みついているものなのか…。
胸がとても痛くなるお話。
次回は「春と嘯(うそぶ)く」 ちょっと不思議なお話。 ちょうど今の季節にぴったり…かな。
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