「暗幕」日記
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最初に出発点を決める。読んだ文章のどの部分にくっつけて書くかを決める。あなたが読んだのがあの文でもこの文でもなく、正にその文であることが読んだ人にわからないといけない。一番印象に残った部分をそれにすることが多い。
そしたら、あなたはどう思ったかを書く。かんたん? いいや。
「こう思った」だけではなく、「なぜ」こう思ったのか理由を必ずつけなければならない。「きらいだ」だけだったら書いた人やその文を好きな人は気をわるくするし、「あなたが読まなければ良い」と言われるだけだから。あなたはその人たちに「なるほど」と思わせなければならないのだ。批判するのは結構むずかしい。
ほめるにしても「面白かった」で済むのは幼稚園生までだ。小学生になれば、夏休みの宿題の読書感想文は、400字原稿用紙5枚程度使って書くことを期待される。最初のうちは、一杯書きたいことがある題を選んで、長く書く練習から始めると良いかな。
頭のなかに書きたいことが一杯あったような気がしていたのに、文章にしてみると案外少ない。そして全然材料が十分でなかった。書きたいことの半分くらいしか埋められない。
高校生より大人のほうが、大人でも年をとったほうが、面白い文は書きやすくなる。材料を蓄える暇が一杯あったからだ。けれど今の若い人はどうかな、文章を読んで味わう他にも楽しみごとは一杯ある。
読む力、書いて伝える習慣のない大人がすでにいて、そのままでは困るだろうなと私は余計なお世話だが心配する。
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